逆流性食道炎が咳が出るときの対処法

逆流性食道炎が原因と思われる咳が続くときは何科を受診すればよいですか?
咳が長く続く場合は、まず呼吸器内科への受診を検討しましょう。気管支喘息や肺炎など、咳の原因となる呼吸器の病気がないかを確認します。
呼吸器内科で異常がみられない場合は、逆流性食道炎が関係している可能性も考えられます。特に胸やけや酸っぱい液体が上がってくるような不快感がある方は、消化器内科の受診を検討しましょう。
病院での検査方法と診断基準を教えてください
聴診や血液検査、胸部レントゲンやCT検査などを行い、肺や気管支などの呼吸器に異常がないかを確認します。気管支喘息が疑われるときは、呼吸機能検査などを実施し、気道が狭くなっていないかなどを調べます。
呼吸器の病気がみられず、胸やけなどの症状がある場合は、逆流性食道炎の関与が考えられます。逆流性食道炎が疑わしい場合は、胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)を行い、食道の粘膜を直接確認し、炎症の有無を確認します。
逆流性食道炎はどのように治療しますか?
治療は、薬による治療と生活習慣の見直しをあわせて行うことが多いです。まずは胃酸の分泌を抑える薬を使用します。症状の改善が不十分な場合には、消化管の動きを整える薬や漢方薬を投与する場合もあります。
薬による治療や生活習慣の見直しでは改善しない場合、外科手術を検討することもあります。
逆流性食道炎で咳が出るときの生活上の注意点を教えてください
逆流性食道炎は、生活習慣と深く関係しているため、日常の過ごし方を見直すことが大切です。
食事は一度に多くとらず、脂っこいものを控えめにします。タバコに含まれるニコチンは胃酸の分泌量を増加させるため、禁煙が望ましいです。アルコールや炭酸飲料も症状を悪化させるおそれがあるため、飲みすぎないようにしましょう。就寝前の食事を避けることも、発症予防に役立ちます。
姿勢にも気を配りましょう。猫背や前かがみの姿勢は胃を圧迫し、胃酸が逆流しやすくなるといわれています。ゆったりとした服を着たり、ベルトでお腹を締めすぎたりしないようにすることも効果的です。また、食べた後すぐに横にならないようにしましょう。
さらにストレスをためない工夫も必要です。適度な運動はストレス解消に役立ち、肥満の防止にもつながります。無理のない範囲で日常に取り入れるとよいでしょう。
編集部まとめ

逆流性食道炎は、胃酸や胃の内容物が食道に逆流することにより、食道の粘膜に炎症を起こす病気です。主な症状は胸やけや酸っぱい液体が上がってくる不快感ですが、喉や気管まで胃酸が逆流すると、咳が出ることがあります。
治療法は主に薬による治療と生活習慣の見直しが中心です。薬物療法では、胃酸の分泌を抑える薬を使用し、改善が乏しければ、消化管の運動を調整する薬や漢方薬を併用します。生活習慣の改善としては、食生活の見直しや禁煙、姿勢の工夫、適度な運動、ストレス解消などがすすめられます。それでも症状が改善しない場合、外科手術を行うこともあります。
逆流性食道炎の咳は風邪とは異なり、痰の伴わない乾いた咳が続くことが多いです。しかし、症状だけで区別が難しい場合があります。また気管支喘息の方では、逆流性食道炎を合併しやすいことが知られています。
診断には、血液検査や胸のレントゲン、CT検査などで肺や気管支の状態を確認したうえで、必要に応じて胃カメラ検査で食道の粘膜を観察します。咳が長引く場合は、自己判断をせずに、早めに医療機関を受診しましょう。
参考文献
『胃食道逆流症 (GERD) 診療ガイドライン 2021 の概説 ─ Potassium-competitive acid blocker (P-CAB) の位置付けについて─』(J. Nihon Univ. Med. Ass. 2022; 81(4): 179–185)

