
監修医師:
近藤 類(医師)
所属
平鹿総合病院
科長
正常圧水頭症の概要
正常圧水頭症とは、何らかの原因で頭蓋(ずがい)内に脳脊髄液(のうせきずいえき)が溜まり、脳が圧迫され症状が出る疾患です。脳脊髄液が溜まり頭の中の圧は高まるものの、正常範囲内から軽度上昇にとどまるため「正常圧水頭症」と呼ばれています。主な症状は、歩行障害や認知機能の低下、尿失禁です。
脳はとても軟らかく、身体にとって重要な神経が詰まっています。脳が障害を受けると再生は難しいため、頭蓋骨(ずがいこつ)や硬膜(こうまく)、くも膜、軟膜(なんまく)といった組織により守られています。
くも膜と軟膜の間は脳脊髄液で満たされており、周りの組織へ栄養分を運ぶほか、脳を守るクッションとしても機能しています。脳が衝撃を受けたとき、脳脊髄液が衝撃を吸収し脳を守る仕組みになっています。
正常圧水頭症は、特発性正常圧水頭症と続発性正常圧水頭症の2つに大別されます。
特発性正常圧水頭症は主に高齢者に発症し、原因ははっきりとしていません。
一方、続発性正常圧水頭症は、頭部外傷やくも膜下出血など、何らかの疾患により二次的に発症するものを指します。正常圧水頭症は、適切な検査や治療によって改善につながりやすい疾患です。

正常圧水頭症の原因
正常圧水頭症は、原因がはっきり分からない「特発性正常圧水頭症」と、原因が判明している「続発性正常圧水頭症」に分類されます。
特発性正常圧水頭症は60歳以上の人に多いとされていますが、明確な原因は解明されていません。
続発性正常圧水頭症は、くも膜下出血や頭部外傷、髄膜炎など別の疾患が原因となって発症する水頭症です。
特発性正常圧水頭症と続発性正常圧水頭症では、発生のメカニズムは異なりますが、どちらも脳脊髄液の産生や循環、吸収のバランスが崩れることで症状が現れます。

