感染性胃腸炎の治療法や注意点

感染性胃腸炎で医療機関に行く目安を教えてください。
感染性胃腸炎は、多くの場合、自然治癒がほとんどです。しかし、次のような重い症状がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。水分がほとんどとれない
半日以上おしっこが出ていない
ぐったりして元気がない
強い腹痛や血便が出た
意識がぼんやりしている、反応が鈍い
嘔吐や下痢が何度も続く
38.5度以上の発熱
乳児ではけいれんを起こす場合があります。乳幼児や高齢者、基礎疾患がある方や妊娠中の方は重症化するリスクが高いため、軽度でも早めの受診が適切です。
医療機関ではどのような治療を行いますか?
感染性胃腸炎の治療は、原因がウイルスか細菌かによって違います。ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性胃腸炎では、抗菌薬は使用しません。治療は原則、症状を和らげる対症療法です。下痢に伴う脱水を起こしている場合には、点滴を行います。下痢止めや鎮痙剤は、病原体が腸内に停滞し毒素を吸収する可能性があるため、使用しません。腸内細菌叢を回復するために、整腸剤や乳酸菌製剤が処方されます。細菌性胃腸炎では、軽症なら対症療法のみですが、症状が重い場合は抗菌薬を使用します。
感染性胃腸炎の家族を看病する場合の注意点を教えてください。
感染性胃腸炎の家族を看病する場合は、感染を広げないようにする対策と、家族の体調管理に注意をする必要があります。ノロウイルスやロタウイルスなどは、感染力がとても強く、家庭内で感染が広がりやすいです。嘔吐物や下痢の処置を行うときは、手袋、マスク、使い捨てのエプロンを着用します。嘔吐や便で汚れた場所は、次亜塩素酸ナトリウムでの消毒が効果的です。家庭では塩素系漂白剤で代用できます。掃除機はウイルスを舞い上がらせてしまうため使用しません。嘔吐物や便を拭き取ったペーパータオル、オムツ類はビニール袋に密封し、速やかに廃棄します。便や嘔吐物が付着した衣類やリネン類は、85度以上の熱水洗濯か、次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)や塩素系漂白剤での消毒が有効です。便や嘔吐物を処置した後や、オムツ交換をした後は、石けんと流水で手をしっかり洗いましょう。タオルや食器類の共有を避けることも重要です。トイレや洗面所を共有する場合はこまめに消毒を行い、定期的に換気しましょう。感染性胃腸炎は数日で自然回復しますが、脱水や重症化に注意が必要です。ぐったりしている、半日以上尿が出ていない、発熱が続く、水分がとれない、血便が出たなどの症状は、脱水や重症化している可能性があるので、医療機関を受診しましょう。
感染しないための手洗いのポイントを教えてください。
ノロウイルスは感染力がとても強く、少量でも感染が広がる可能性があります。石けんと流水による手洗いは、感染予防に有効です。調理を行う前、食事の前、トイレに行った後、感染者の下痢や嘔吐を処理した後、オムツ交換の後、外出から帰宅したときは、しっかりと手洗いを行いましょう。手袋をして処置をした場合でも、手洗いは必要です。感染予防のために、次のポイントを押さえて手洗いを行います。爪は常に短く切っておく
指輪や時計などの装飾品を外す
石けんを十分に泡立て、ブラシなどを使用して洗う
指先、指の間、爪の間、親指の周り、手首、手の甲など汚れが残りやすいところをしっかりと洗う
流水でしっかりすすぐ
清潔なタオルやペーパータオルで拭く
石けん自体にはウイルスを死滅する効果はありません。石けんや流水による手洗いは、手の皮脂や汚れを落とし、ウイルスが手からはがれやすくなるため感染予防に有効です。
編集部まとめ

感染性胃腸炎は、原因となるウイルスや細菌によって回復後も一定期間、体内から病原体が排出されます。
ノロウイルスは回復後も1週間から1ヶ月程度、ウイルスが便中に排出されるケースがあり、症状が治ってからも1週間は感染に注意が必要です。
特に乳幼児や高齢者と同居している場合は、家族感染を防ぐためにも慎重な対応が求められます。
家庭内での感染を防ぐためには、回復後もしばらくは感染対策を続ける意識を持ちましょう。
参考文献
感染性胃腸炎|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト
ノロウイルスに要注意!感染経路と予防方法は?|政府広報オンライン
感染性胃腸炎|和歌山市感染症情報センター
感染性胃腸炎(ウイルス性胃腸炎を中心に)|東京都感染症情報センター
感染性胃腸炎について|保健医療局
感染性胃腸炎(ウイルス性胃腸炎を中心に)|保健医療局
感染性腸炎|一般社団法人日本大腸肛門病学会
ノロウイルスに関するQ&A|厚生労働省

