食道がんになりやすい人の特徴とは?Medical DOC監修医が食道がんになりやすい人の特徴を解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「食道がんになりやすい人」の特徴はご存知ですか?代表的な症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
武田 美貴(医師)
平成6年札幌医科大学を卒業し、札幌医科大学放射線科に入局。画像診断専門医となり、読影業務に従事。その後、新たな進路を模索するため、老年医療や訪問医療、リハビリテーションなどを学ぶ。現在は、一周回って画像診断で母校に恩返しをする傍ら、医療事故の裁判では、患者に寄り添う代理人を、画像診断と医学知識の両面でサポートすることをライフワークとしている。
食道がんの代表的な症状
声がかれる
声がかれる症状は、頸部食道がんでよくみられる症状です。頸部食道の近くには声門(喉頭)があるため、頸部食道がんが進行すると、声を出す声門に浸潤することがあり、声がかれるという症状が現れます。声門や頸部食道は、内視鏡で直接観察することができますので、大声を出したわけでもないのに声がかれて治らないときには、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診しましょう。
また胸部食道がんが進行すると、食道を越えて食道が通っている縦隔にある組織に浸潤して、その結果声門の動きをつかさどる反回神経という神経に浸潤することもあります。この場合も声がかれるという症状が出ますので、声がかれるという症状が長引く場合は、できるだけ早く内科や耳鼻咽喉科を受診することを検討してください。
首のリンパ節が腫れる
首のリンパ節が腫れるという症状は、頸部食道がん、胸部上部食道がんでよくみられる症状です。首のリンパ節はのどの炎症などでも腫れますが、炎症で腫れている場合は数日で小さくなる、触るとよく動くなどの特徴があります。しかし、がんなどの悪性腫瘍が転移してリンパ節が腫れている場合、周りの組織と癒着しているために触っても動かない、触った感じがごつごつと硬い、といった特徴があります。首のリンパ節がなかなか小さくならない、どんどん大きくなるなどの症状がある場合は、内科や耳鼻咽喉科を受診してみましょう。
食べ物が飲み込みにくい
食べ物が飲み込みにくくなるという症状は、食べ物が通過する管である食道が、がんにより狭くなった時に自覚する症状です。最初は違和感がある程度ですが、進行するといくら噛んでも食べ物が通過しにくくなり、だんだん固形物を食べたくなくなっていきます。そうすると、や瘦せてしまったり、みそ汁など固形物の少ない食べ物を好むようになったりします。食べ物が飲み込みにくくなってきたら、内科で胃カメラなどの検査が必要か相談してみるとよいでしょう。
胸や背中が痛い
食道がんは、進行すると周囲の組織に浸潤することがあります。食道が通る縦隔には、心臓や大血管、神経や肺があり、これらの組織に浸潤すると、命に関わる症状をきたすことがあります。特に大血管(胸部大動脈)への浸潤が疑われると、発見されても手術が難しくなったり、放置しているとがんが大血管の壁を突き破ってしまい、大量出血の原因になることもあります。また背骨に近いこともあり、骨に転移すると背中が痛くなるといった症状がでることもあります。
胸や背中がつらいほど痛くなった時は、食道がんのこともありますので、内科受診を検討してください。
「食道がんになりやすい人」についてよくある質問
ここまで食道がんになりやすい人の特徴を紹介しました。ここでは「食道がんになりやすい人」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
食道がんになりやすい人は体質に原因があるのでしょうか?
武田 美貴(医師)
太っている人は、逆流性食道炎になりやすいため、下部食道腺がんになりやすい、と欧米では言われています。日本では食道腺がんの罹患率が低いため、そのように言われることが少ないですが、注意が必要です。また、喫煙や飲酒も危険因子となることがわかっていますので注意が必要です。
食道がんになりやすい人の年齢層を教えて下さい。
武田 美貴(医師)
60代、70代に多く、男性に多いのが特徴です。死亡率も男性で高く、がんによる死亡の原因である臓器では、肺、胃、大腸、肝臓、すい臓、前立腺についで7番目に多くなっています。女性の死亡率はあまり高くなく、がん死の原因となる臓器としては、10番目以下となっています。
食道がんになりやすい人はお酒を飲むと顔が赤くなる人でしょうか?
武田 美貴(医師)
発がん物質の一つにアセトアルデヒドがあります。お酒を飲むと、有害物質であるアセトアルデヒドが生成されますが、アセトアルデヒドを分解する酵素の力が体質的に弱い人がいます。お酒を飲むと顔が赤くなる人は、アルデヒドの分解が苦手な体質の人で、分解酵素の力が弱いためにアセトアルデヒドが体内に長く停留してしまい、発がんリスクが上昇します。逆にお酒を飲めない人は、飲酒の機会を避けるため発がんリスクは低下します。

