透析治療を受けながらも、仕事や趣味、社会活動を続けている方は少なくありません。適切な自己管理とスケジュール調整により、充実した生活を送ることは十分に可能です。ここでは就労との両立や運動の取り入れ方など、日常生活を豊かにするための具体的な工夫について解説します。無理のない範囲で活動を続けることが生活の質を高めます。

監修医師:
浅川 貴介(医師)
2004年私立海城高等学校卒業
2010年私立東邦大学医学部卒業医師免許取得
2012年公益財団法人日産厚生会玉川病院
2016年東邦大学医療センター大橋病院腎臓内科
2018年医療社団法人七福会ホリィマームクリニック
2022年浅川クリニック
【免許・資格】
・医学博士
・日本内科学会総合内科専門医
・日本腎臓学会腎臓専門医
・日本透析医学会透析専門医
・労働衛生コンサルタント(保健衛生)
・東京都福祉局認定難病指定医
透析治療を受けながらの日常生活の工夫
透析治療を受けながらも、多くの方が仕事や趣味、社会活動を継続されています。適切な自己管理と工夫により、充実した日常生活を送ることが可能です。ただし、体調や治療スケジュールに応じた調整が必要であり、無理のない範囲で活動することが大切です。
就労と透析治療の両立
透析治療を受けながら働いている方は少なくありません。血液透析の場合、夜間透析や早朝透析を選択することで、日中の就労時間を確保できます。また、週3回の透析日を考慮したシフト調整や、在宅勤務の活用も有効です。腹膜透析の場合は通院回数が少なく、自宅で治療できるため、就労継続がしやすいという利点があります。
就労にあたっては、職場への病状説明が重要です。透析治療を受けていることを伝え、通院スケジュールへの理解を得ることで、無理のない働き方が実現します。また、産業医や人事担当者と相談し、業務内容の調整や休憩時間の確保なども検討できます。障害者手帳の取得により、就労支援制度を利用できる場合もあります。職場とのコミュニケーションを大切にし、協力を得ながら働き続けることが、生活の質を高める一つの方法です。
運動と日常活動の取り入れ方
適度な運動は、筋力維持、心肺機能の向上、ストレス軽減に役立ちます。透析患者さんに推奨されるのは、ウォーキング、ストレッチ、軽い筋力トレーニングなどです。激しい運動は避け、自分の体力に合わせた強度で行うことが大切です。運動習慣を取り入れることで、体調管理がしやすくなり、生活の質が向上します。
血液透析の方は、シャント(血管アクセス)のある腕に過度な負担をかけないよう注意します。重いものを持つ、腕枕をする、血圧測定をシャント側で行うなどは避けます。運動前後には水分摂取量に気を配り、透析間の体重増加が過度にならないよう管理します。体調不良時や透析直後は無理をせず、休息を優先することが重要です。定期的な運動習慣により、生活の質を高め、長期的な健康維持につながります。医師や理学療法士と相談しながら、自分に合った運動プログラムを組み立てることが推奨されます。
まとめ
透析治療は、適切な知識と自己管理により、多くの方が長期的に継続し、充実した日常生活を送っています。血液透析と腹膜透析にはそれぞれの特徴があり、ライフスタイルや身体状態に応じて選択できます。食事療法や水分管理、感染予防などの日常的なケアが、治療効果を高め、合併症を防ぐ鍵となります。体調変化を早期に察知し、医療スタッフと密に連携することで、より安全で快適な透析生活が実現します。疑問や不安がある場合は、遠慮なく専門機関に相談し、適切な支援を受けることが大切です。
参考文献
東京女子医科大学病院「血液浄化療法科:透析療法の種類」
厚生労働省透析医療における標準的な透析操作と院内感染予防に関するマニュアル
日本透析医学会参考文献
透析の開始と継続に関する 意思決定プロセスについての提言

