不貞の証拠をつかんでからさらに1か月間、夫を泳がせて証拠を積み重ねたさくらは、ついに「夫を地獄に落とす」作戦決行の時を迎える。
マイと愛を育む夫
それから約1か月。私は徹底的に夫を泳がせた。
夫はマイとの関係が順調なようで、出張や残業、そして飲み会といった、さまざまな口実を使って家を空けるようになった。彼は完全に油断していた。妻がすべてを知っているなど、夢にも思っていないのだろう。
私はその間、静かに、しかし着実に証拠を積み重ねた。
ボイスレコーダーの継続的な使用はもちろん、彼が隠していると思っていたメッセージの履歴(バックアップから復元)、さらに探偵も契約して徹底的に行動を追った。それはもう、生々しい証拠が山ほどとれて、面白いほどだった。
ついに糾弾のとき
証拠を増やす作業は、かつて信じた家族の卑劣さを間近で見せつけられる拷問のような日々だったが、その度に私の決意は固くなった。和人を守るためなら、私は何でもできると思えた。そして、ついにその時が来た。
ある金曜日の夜。私の両親も交えて、いつものように夕食を囲んでいた。母が作った肉じゃがが湯気を立て、和人が楽しそうに離乳食を食べている。平穏な、いつもの家族の風景。夫の実も、リラックスした様子でビールを飲んでいる。
「いやー、今週は仕事が大変でさ。来週は少し落ち着くかなあ」
実がそう言ったところで、私は箸を置いた。
「そういえば」
静かな私の声に、みんなが顔を上げた。
「そういえば、実」
私は、彼の目を見据えて、にっこりと、この1か月で一番穏やかな笑顔を作った。
「マイちゃんとは最近どうなの?」

