夫と話す時間を作るように
ドラレコで話す夫の言葉を聞いてから、さやかさんは自分から夫に話しかけるようになったんだそう。「夫は、もともと言葉で気持ちを伝えるのが苦手な人なんです。だから私もいつの間にか、会話や気持ちのやり取りを諦めていました。でも、ドラレコに残っていた声に、私がずっと欲しかった言葉が詰まっていたのでね。なんか、私も夫に優しくしたいなと思いました」
あの日の録画は、今も削除せずに残してあるとさやかさんは笑います。
「つらくなったとき、また聞き直したくなる気がするから」
見えない優しさは、時に見えるものよりも、ずっと強く、ずっと深く心に残る。それが、家族なのかもしれませんね。
<取材・文/maki>

