腎臓がんは、50歳以降の方がかかりやすい病気だといわれています。
腎臓がんは、初期症状がほとんどないというのが特徴です。そのため腎臓がんの発見は、他の病気で画像検査をしたのをきっかけに見つかることが多いがんです。
体の異変に気付いたときには浸潤が進行し、他の臓器に転移していたということも珍しくありません。
腎臓がんの原因は、まだはっきりしていません。そのため腎臓に不安を持つ人は、定期的な画像検査が必要になります。
ここでは腎臓がんの検査・治療法について解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「歯肉がんの症状」はご存知ですか?早期発見のポイントや治療法も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)
長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科
腎臓がんとは?
腎臓がんとは、腎臓の細胞ががん化したもので、腎がんといわれることも多いです。
腎臓はちょうど腰のあたりの背中側に2つ、左右対称にあり、血液をろ過して尿を作る臓器です。また、血圧のコントロール・造血ホルモンの生成・ビタミンDの活性化といった働きもあります。
腎臓は皮質・髄質・腎杯・腎盂の4つのパートに分かれています。このうちの皮質と髄質を「腎実質」といい、腎臓がんの中でも腎実質の細胞が悪性腫瘍になったものが「腎細胞がん」です。
腎臓がんの多くは腎細胞がんであるため、一般的に腎臓がんといえば腎細胞がんを指しているケースが多いです。一方腎盂に発生した「腎盂がん」は、腎細胞がんとは性質や治療法が異なるため、区別しています。
腎臓がんの特徴は、さまざまな臓器や部位に転移する可能性が高いことです。早期発見で腎臓内にがんが閉じ込められている状態であれば、体に負担のかからない治療法での治癒が期待できます。
腎臓がんは、1年間で10万人あたり15人程度が発症しているといわれています。
男女の発症比率は2:1 で、男性の方がやや多く発症しているのが特徴です。また発症年齢で多いのが60~70歳ですが、若年層でも発症することがあります。
腎臓がんの検査・診断
腎臓がんの疑いが出たときには、さまざまな検査を行いがんの有無・大きさ・形状・転移の有無などを調べます。
検査は今後の治療方針や予後を決める大切なものです。ここではどのような検査が行われるのかを解説していきます。
超音波検査
超音波検査は、超音波を体にあてて、臓器からの反射の様子を画像にする検査です。
腎臓がんにおける超音波検査の目的は、がんのある場所の特定・がんの大きさや形・がんの周辺臓器との関係を確認することです。
超音波検査は、痛みや放射線による被ばくの不安もほとんどなく、体への負担をできる限り抑えた検査方法といわれています。
CT検査
CT検査は、造影剤を使った検査です。
造影剤を静脈から注入し、短時間で多くの画像を撮影できるのが特徴です。腎臓がんがあると思われる部位の血液の流れなどを観察することにより、がんの有無を検査します。
体の周囲からX線を当て、体の中の吸収率の違いを断面図にして画像で現わします。5~15分程度の短い検査で広範囲を検査できるため、腎臓がんが疑われた場合、大半の人がCT検査を受けることになるでしょう。
ただし、造影剤にアレルギー反応がある場合には、CT検査はできません。
MRI検査
MRI検査は、腎臓がんの有無・腎臓がんの大きさ・周りの臓器への浸潤を診断する検査です。
強力な磁場を発生させ、周波数の電波を体に当てて体の内部の断面を検査します。CT検査に使われている造影剤にアレルギー反応がある人や、腎臓機能に障害がある人に対して行われる検査です。
MRI検査は、病変部と正常な組織とのコントラストの違いで区別しやすくなっています。X線を使わず、地場と電波だけを使うため、被ばくの不安がほとんどありません。
生検
生検は、画像検査ではがんの有無が確定できない場合に行う検査です。
画像だけでは良性か悪性か判断できない場合にも使います。直接細い針を刺して組織を採取し、顕微鏡などで詳しく調べます。一般的に麻酔を使って行うため、1泊2日の入院が必要です。
血液検査
腎臓に異変があると、血液にもその影響が出ます。腎臓がんの場合、以下のような血液反応が見られます。
白血球や血小板の数が通常よりも多くなる
総タンパク・アルブミンの値が低くなる
CRP・AST・ALT・クレアチニン・カルシウムの値が高くなる
このような異常を血液検査で見つけ出し、腎臓がんのリスクを評価します。

