使い捨てカイロは、寒い時季に必須の防災グッズ。冬の日常生活ではあるとうれしいアイテムの一つです。
一方で、カイロを使っている最中に「温かい場所にいるから、今はもう要らない」となることも良くあります。とは言え「また寒くなってきたから、カイロが欲しい」となることもありますよね。そんなときに役立つのが「使い捨てカイロの一時停止」です。
今回は、カイロの一時停止の方法を紹介します。「どのくらいの時間、一時停止できるのか?」「ちゃんと温かさが復活するのか?」など、気になるポイントを実際に試してわかった注意事項などもあわせてお伝えします。
カイロの一時停止にチャレンジ
使い捨てカイロは、中に入っている鉄が酸素に触れることで化学反応を起こして発熱する仕組みです。
一度パッケージから取り出した後でも、「ジッパー付き袋に入れて空気と触れないようにすると、その間の発熱が止まる」というのが一時停止の方法です。再度袋から取り出し、空気に触れると発熱が再開します。
体が温まったら袋に入れて一時停止し、また寒くなったら取り出し……と、一時停止をうまく使うことでカイロを無駄なく利用できます。
では、本当に一時停止できるのか試してみましょう。パッケージには「40℃以上が20時間以上続く」と記載があるので、「40℃を基準にして温まっているか・温まっていないか」を判断しようと思います。
こちらはパッケージから出して1時間経過したカイロです。この時の温度は46.6℃です。
ここから一時停止してみます。ジッパー付きの袋に入れ、袋の空気を抜くようにしっかりジッパーを閉じます。
袋に入れてから10分ほどするとカイロの温度は34.7℃まで下がり、30分後には28.3℃まで低下しました。袋の上から触っても温かさを感じません。
袋の上から温度計を挟み込んで、温度を計測しました。
袋に入れたまま2時間放置し、袋から取り出すと……10分後には32.5℃に温度が上がり、再び発熱し始めているのがわかります。袋から出して30分経過するころには43.5℃に温度がさらに上がり、暖をとれる程度の温かさまで復活しました。
その後、温かさがどのくらい持続するかもチェック。一時停止していた2時間を除き、パッケージを開封してから合計23時間ほど温かさが40℃以上に保たれていました。パッケージに記載されている「持続時間20時間 ※40℃以上を保持し持続する時間」を達成していたことがわかります。
ちなみに、2時間の「一時停止」をはさんでも、トータルの発熱時間には影響が無さそうです。
どのくらいの時間一時停止できる?
今度はどのくらいの時間一時停止できるか、「8時間」「24時間」「72時間」の3パターンで検証してみます。
パッケージを開けてから1時間経過したカイロをジッパー付き袋に入れ、一時停止します。なお、すべて同じ製品で新品のカイロ・ジッパー付き袋を使用し、各時点での温度の経過を記録します。
①8時間
8時間一時停止できれば、職場や学校への行き帰りに使う際に便利ですね。結果は、一時停止して問題なく使うことができました。
⚫︎パッケージ開封後1時間:42.5℃
⚫︎ 袋に入れてから30分:29.8℃
⚫︎袋に入れてから5時間:26.3℃
⚫︎ 袋に入れてから8時間:26.5℃
⚫︎袋から出して30分:40.4℃
⚫︎ 袋から出して19時間(発熱時間合計20時間):41.9℃
②24時間
丸一日、一時停止します。今回も問題なく一時停止して、再度使用できました。
⚫︎パッケージ開封後1時間:42.9℃
⚫︎ 袋に入れてから30分:30.8℃
⚫︎袋に入れてから5時間:26.2℃
⚫︎袋に入れてから24時間:27.0℃
⚫︎ 袋から出して30分:45.5℃
⚫︎ 袋から出して19時間(発熱時間合計20時間):40.5℃
③72時間
次は、丸々3日間にチャレンジ。結果的に、こちらも一時停止後に問題なく使用できました。
⚫︎パッケージ開封後1時間:48.0℃
⚫︎袋に入れて30分:30.8℃
⚫︎ 袋に入れて5時間:26.1℃
⚫︎袋に入れて72時間:27.3℃
⚫︎袋から出して30分:48.1℃
⚫︎ 袋から出して19時間(発熱時間合計20時間):43.0℃
今回の実験では、一時停止時間「8時間」「24時間」「72時間」のすべてで、発熱合計時間がパッケージ通りの20時間を達成しました。
少なくとも、72時間以上一時停止が可能です。
