大根が柔らかくならない原因は?
大根が柔らかくならない原因皮のむき方や切り方、下処理の方法が適切ではない
煮込み時間の不足、不適切な温度での煮込み
煮汁が少なすぎる・味付けのタイミングが悪い
品種・鮮度・部位など大根そのものの条件が悪い
原因1. 皮のむき方や切り方、下処理の方法が適切ではない
大根は、皮近くに筋が多いため3〜5mm程度厚めにむくのがポイントです。もったいないからと言って皮を薄くむくと、硬い部分が残って柔らかくなりにくいですよ。
大根は繊維が縦方向で、比較的火は通りやすいです。煮物は輪切りにするのが一般的ですが、輪切りよりも半月切りやいちょう切りなど小さくカットすると、短時間で柔らかくなりやすいですよ。
面取りや隠し包丁を省くのもNG。面取りをすると煮崩れを防ぐだけでなく、火の通りが均一になり味も染みやすくなります。
原因2. 煮込み時間の不足、不適切な温度での煮込み
大根の細胞壁のペクチンは、加熱によって分解されて柔らかくなるため、時間をかけて煮ることが大切。切り方にもよりますが、2cm程度であれば30分ほど厚切りの大根なら45分以上が目安です。
また大根は60〜70度の低い温度帯で煮ていると、硬化現象が起こり何時間煮ても柔らかくなりません。煮るときは水から煮始めて中火で一気に温度を上げて沸騰したら、弱火でじっくり煮るのが鉄則ですよ。
さらに、煮ている最中にかき混ぜすぎると熱が均一に伝わらず、外側だけ煮崩れたようになり中が硬いままになることがあります。落とし蓋をしてコトコトじっくり煮るとよいですよ。(※1)
原因3. 煮汁が少なすぎる・味付けのタイミングが悪い
大根を煮るとき、煮汁が少ないと熱が均一に伝わらず全体が柔らかくなりにくいです。大根が完全に浸かるくらいの煮汁の量を目安にするのがコツ。
また下茹でせず、初めから味付けした煮汁で煮ると柔らかくなりません。調味料の塩分があることで浸透圧の影響で硬いままに仕上がったり、火が通ってもガズッとした食感が残ってしまったりすることもあります。
初めは出汁だけで煮るか、あらかじめ下茹でをおこなってから味付けするとよいですよ。
原因4. 品種・鮮度・部位など大根そのものの条件が悪い
大根そのものの品種・鮮度・部位が原因の場合もあります。冬大根(12月〜2月)は、キメが細かく甘く柔らかくなりやすいですが、夏大根(7月〜8月)は繊維が粗く硬くなりがちです。
そして大根は、部位によって部位によって味が変ります。上部〜中間部は甘くて柔らかく、先端部は辛味が強いのが特徴。 煮物には中間~葉に近い上部分がおすすめですよ。
また、なるべく新鮮なものを選ぶようにし、萎びたり張りがなかったりするものは避けてください。
柔らかく仕上げるための「下茹で」
下茹ですることで、中心までしっかりと柔らかく口当たりもよくなります。大根のアクが抜けて苦みやえぐみ、辛みを取り除くことができ、煮汁の味が染み込みやすくなりますよ。
下茹でせずに煮汁で煮込むと、調味料の塩分で大根が硬くなってしまいます。大根を煮るときは、下茹でするのがおすすめです。 下茹でしないと起こること
煮汁の味が染み込みにくい
外側が硬く、中心まで火が通りづらい
調味料の塩分で表面が締まり、さらに硬くなる

