痛風は“治った”と思っても油断禁物!尿酸値コントロールの続け方を医師が解説

痛風は“治った”と思っても油断禁物!尿酸値コントロールの続け方を医師が解説

痛風治療では、一時的な発作への対応だけでなく、長期的な尿酸値のコントロールが重要な柱となります。尿酸降下薬の使用は数ヶ月から数年続けることが一般的で、発作がなくなっても自己判断で中止すると再発のリスクが高まります。目標値は6.0mg/dL以下が基本で、痛風結節や腎障害がある場合はさらに低く設定されることもあります。定期的な血液検査で尿酸値や腎・肝機能を確認し、薬の効果と副作用をチェックしながら、生活習慣の改善も並行して続けることで、薬の効果を高め、長期的な安定を実現できます。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

痛風と尿酸値の長期管理

痛風の治療では、一時的な発作の対応だけでなく、長期的な尿酸値のコントロールが重要です。尿酸降下薬の使用は数ヶ月から数年続けることが一般的で、発作がなくなっても自己判断で中止すると再発のリスクが高まります。
目標値は6.0mg/dL以下が基本で、痛風結節や腎障害がある場合はさらに低く設定されます。目標値を維持することで、関節内の尿酸結晶が溶けて再発を防ぎます。

定期的に血液検査を行い、尿酸値や腎・肝機能を確認しながら薬の効果と副作用をチェックします。生活習慣の改善も並行して続けることで、薬の効果を高め、必要量を減らすことが可能です。医師と協力し、長期的な視点で管理を続けることが安定した治療の鍵になります。

尿酸降下薬を始めるときの注意

尿酸降下薬を開始すると、一時的に関節内の結晶が動き出し、発作を誘発することがあります。そのため、薬は少量から徐々に増やし、コルヒチンやNSAIDsを併用して予防します。これらは数ヶ月ほど継続され、尿酸値が安定してから中止します。
副作用として肝・腎機能障害や皮膚症状が現れることがあるため、定期的な検査で早期に確認します。異常を感じた場合は中止せず、必ず医師に相談して対応を検討します。

腎機能との関係と管理の重要性

尿酸は腎臓から排泄されるため、高尿酸状態が続くと腎臓に負担がかかり、慢性腎臓病(CKD)や尿路結石の原因となります。腎機能が低下すると尿酸排泄も減少し、さらに悪循環が進行します。
そのため、治療では尿酸値だけでなく腎機能も定期的に評価します。腎機能の指標には血清クレアチニン値やeGFRが用いられ、状態に応じて薬の種類や量を調整します。特に腎機能が低下している場合は、尿酸生成阻害薬の使用が適しています。
尿酸と腎臓を同時に守るには、薬の継続と生活習慣の見直しが欠かせません。

まとめ

痛風は、適切な知識と治療により十分にコントロール可能な疾患です。尿酸値が高いと指摘された方や、痛風発作を経験した方は、早期に専門医を受診し、総合的な評価を受けることが推奨されます。生活習慣の見直しと薬物療法を組み合わせることで、痛風発作の再発を防ぎ、関節や腎臓の健康を長期にわたって守ることができます。痛みや不安を抱えたまま過ごすのではなく、専門家の支援を受けながら、前向きに治療に取り組むことが大切です。健康診断の結果を軽視せず、早めの相談と継続的な管理を心がけることで、質の高い生活を維持できます。

参考文献

日本痛風・核酸代謝学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」

日本腎臓学会「CKD診療ガイド2023」

国立がん研究センター「多目的コホート研究」 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」
配信元: Medical DOC

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