「私は「●●●●●」依存症」「●●●●●」で負けて頭に来ていた【被告人質問】
弁護士:今回の窃盗事件、被害者の方に財産上の被害を与えたことになりますが、被害者に対して今の気持ちは?
被告:被害者の方には大変なご迷惑をかけて申し訳ありません。
今後悪いことは、絶対に絶対に絶対にやりません。
弁護士:被害弁償はできていないですね?
被告:はい
弁護士:あなたは現在、生活保護を受給している。
被告:はい
弁護士:被害弁償できるお金は手元にありますか?
被告:いくらも残っていなくて刑務所を出たら働いて返したいと思います。
弁護士:あなたには親はいますか?
被告:母は私が小学4年生のときにひき逃げされて殺されました。父は中学校のときにアパートの階段から落ちてそのまま凍死しました。※真偽不明
弁護士:社会に出たらお金を返すといってもいつになるかもわからないですよね。
被告:はい
弁護士:あなたはかつては仕事をしていたこともあるけれども、去年刑務所を出所してから何か仕事をしましたか?
被告:していません。
弁護士:じゃあ社会に出て働いてお金を返すと被害者に提案しても信用してもらえますか?
被告:信じてもらえないかもしれません。
弁護士:出所して1年で今回の事件。財布をみつけたときに本来とるべき行動はなんだと思いますか?
被告:警察の人には信じてもらえなくて。当時所持金は2万4000円くらいあって、1000円タクシーで使ったら、そのまま使ってしまった。お金を店員や交番に届けるべきでした。
そのときは「●●●●●」で4万円負けて頭にきていて、お店にも頭にきていたので…
弁護士:「●●●●●」というのはパチスロの商品名ですか?
被告:私は「●●●●●」しか打たないので、「●●●●●」依存症なんで。
弁護士:あなたは誰かから依存症ですよと言われたことがあるんですか?
被告:言われたことはないんですけど、いつも「●●●●●」のときに事件を起こしてしまって。
「●●●●●」が悪いわけではなくて、パチンコのお店が悪いわけでもなくて。自分が原因なんですけど、依存症の施設に入って治るようにしたい。
弁護士:おカネを自分で使いたいって気持ちがあって、それで財布を届けなかったんじゃないですか?
被告:拾った時点ではいくら入っているかもわからなかったので。失礼ですけど財布のボロボロのキレキレでお金が入ってないと思っていました。
…………
被告は「拾った時点ではたいしてお金が入っていないと思ったので、取るつもりはなかった」という言い訳を繰り返した。
「もはやその言い訳をしても意味はないのではないか」と思ったが、それは裁判が終わるまで続いた。
……………
弁護士「生い立ちは苦労したかもしれないけど、何度も刑務所行くような生活は終わりにしないと」
弁護士:自分は「●●●●●」依存症だと分析していて、治したいと
被告:治したいです原因は。…
弁護士:(さえぎって)もういいですいいです。
被告:今年に入って「●●●●●」をどういうわけかやってしまって、心のどこかに「●●●●●」をやって負けたら刑務所に戻ればいいという甘い考えがありました。
弁護士:あなた、いくつになりましたか?
被告:51歳です。
弁護士:50代ですよ。生い立ちを聞くと苦労したとは思いますけど、何回も刑務所に行くような生活は終わりにしないといけない。
被告:自分の父が亡くなった51歳になったんで、あと何年生きられるかわかりません。「●●●●●」…「●●●●●」で…正しい人生を…(あまりよく聞き取れず)
…………
続いて検察官が質問に立った。その質問は簡潔で短めだった。
…………
検察官:あなたは前科5犯で、それは窃盗と強盗。窃盗は全部パチンコ店で犯している。全部「●●●●●」のせいなんですか?
被告:「●●●●●」をいつもやっていて、「●●●●●」でいつも大負けするともうアタマがおかしくなって、数百円になってしまって。もうしないと思っても「●●●●●」をしてしまって。「●●●●●」が悪いわけではなく自分が100%悪いので、依存症の治療をうけたいと思っています。
検察官:これまでに依存症の治療を受けたことは?
被告:一度もないです
検察官:なぜ受けたことがないのですか?
被告:ギャンブルの依存症の治療をする施設がなくて、スマホも持っていないので調べることもできなくて。
検察官:前回刑務所を出所してから●●●●●をやったのはいつですか?
被告:出所した初日からやってしまいました。
検察官:刑務所でも「●●●●●やりたい」「●●●●●やりたい」と考えていたのですか?
被告:いや、「やりたい」と「やりたくない」と半分半分くらいです。
検察官:なぜ財布をみつけたとき、「これ落としましたか?」って声をかけなかったのですか?
被告:そのときは、被害者の方はあの座って何か落としているなって感じがしていたんですけど、私も落としたことがあるけれども
検察官:けれども思ったわけですよね?なぜ声をかけなかったんですか?
被告:頭はおかしくなっていたのかもしれません。
検察官:それで●●●●●をしようと思ったのでは?
被告:その日はもうするつもりなくて、本当に失礼なんですけど、ボロボロの財布だったんでお金も入っていないだろうと思って。声をかけずに持っていきました。
検察官:盗もうと思ったのかどうなのか、どっちなんですか?
被告:とにかく持って出ようと思いました。お店の人としゃべりたくなかったので。

