「生理中は妊娠しない」と思っていませんか? じつはそれ、必ずしも正しくありません。排卵のタイミングや精子の寿命によっては、生理中のセックスでも妊娠する可能性があるのです。産婦人科吉田クリニックの吉田先生に詳しく聞きました。

監修医師:
吉田 洋一(産婦人科吉田クリニック)
日本大学医学部卒。日本大学医学部附属板橋病院、川口市民病院(現川口市立医療センター)、横浜船員保険病院(現横浜保土ヶ谷中央病院)、横浜市立大学医学部附属病院、横浜市立市民病院、藤沢市民病院などを経て現職。日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医。
生理中は妊娠しない?
編集部
生理中に妊娠することはありますか?
吉田先生
一般的に妊娠しにくい時期ですが、可能性はゼロではありません。排卵の時期には個人差があり、生理周期が短い人や不安定な人だと、生理の後すぐに排卵が来ることがあります。その場合、生理中に精子が体内に残って受精するケースがあります。
編集部
生理周期が不安定な人は妊娠の可能性があるのですか?
吉田先生
はい、不規則な人ほど妊娠の可能性が高くなるといっても過言ではありません。排卵が早まると、生理の最中でも妊娠にいたる場合があります。避妊をしていない限り「生理中は安全」と思い込むのは危険です。
編集部
生理中に妊娠しやすいのはどんな人ですか?
吉田先生
生理周期が不安定な人のほか、周期が短い人はとくに注意が必要です。また20代で卵巣機能が活発な場合、排卵が早まることもあります。さらに、パートナーの精子の寿命が長い場合も、生理中のセックスが妊娠につながることがあります。また稀ですが、性交によって排卵することも考えられるので、生理中の妊娠には注意しましょう。
生理中にセックスするリスク
編集部
生理中のセックスにはどのようなリスクがありますか?
吉田先生
ほかの時期に比べ、性感染症のリスクが高くなります。血液は細菌やウイルスの温床になりやすいため、性感染症のリスクが高まるのです。とくにHIVや肝炎ウイルスは血液感染の経路となるため注意が必要です。コンドームの使用は必須と考えましょう。
編集部
性感染症のリスクが高まるのですね。
吉田先生
はい。そもそも生理中は妊娠の準備として厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちている状態。そのため腟や子宮内部はいつもよりデリケートになり、腟内の自浄作用は低下しています。そのため、細菌感染を起こしやすいのです。
編集部
腟内もデリケートになっているのですね。
吉田先生
剥がれ落ちた子宮内膜は、基本的に経血として外に押し出されますが、このときにセックスをすることで経血に細菌が入り、それが逆流して子宮に入ってしまうこともあります。そのため子宮内に菌が繁殖し、感染症が発症するリスクもあります。
編集部
どのような病気のリスクが高まるのですか?
吉田先生
子宮の内側にある子宮内膜という粘膜で炎症が起きる子宮内膜炎や、卵管で炎症が起きる卵管炎、お腹を覆っている腹膜に炎症が起きる腹膜炎などのリスクが高まります。とくに子宮内膜炎や卵管炎は将来的に不妊につながり、妊娠しにくい体になることもあるので注意が必要です。

