
琵琶湖で最も多くの参加者を集めるバス釣りトーナメント、琵琶湖オープン。トーナメントといってもあくまでも巨大な草トーナメントといった敷居の低さが魅力だが、過去には木村建太さんなど有名プロも輩出している。今回はこの哀れな語り部(←筆者のことです)が挑んだのだが…その結果は!?
勝ちパターンはおそらく北湖の…3匹で7,000gは必要だろう
めでたく6月20日に『琵琶湖の釣魚大全』(つり人社)を出版することができたこの哀れな語り部。しかし、その本の執筆のため、最近はまったくプライベートの釣りに行くことができないでいた。
それでも6月8日の琵琶湖オープン第2戦はなんとしても出るつもりだった。プラ(大会の練習の釣り)はできても1日だけ。6月5日に無理矢理予定を空けて、湖上へとレザミ3世号を浮かべた。
この日は晴れていたが、6月にしてはかなり涼しく快適な気温だった。状況はおそらくスポーニングシーズンの終盤。試合の勝ちパターンはおそらく北湖の…。3匹で7,000gは必要だろう。そこで語り部は7,500gを目標に据え、プラを行うことにした。
水の綺麗な北湖西岸を北上し、北小松あたりでまずはエレキを下ろした。ハードボトムで知られるエリアを流しながら水中を観察するが…目視できる水深にバスは少ない。チラホラといることはいるが、サイズも40~50cmと琵琶湖にしては控えめ。ビッグベイトやヘビーダウンショットリグを投入してみるが、反応はイマイチ。見には来るが、距離は縮まらない。
少しずつ南下しながらベッドを探すが…それっぽいバスはあまりいなかった。そもそもだ。語り部自身、その手の釣りはまったく得意ではなく、完全に経験不足である。いきなり大会でやって勝てるはずがないのだ。
それに気づいたのはすでに昼過ぎ。ここで、狙いをアフタースポーン(産卵後)のバスに切り替えることにした。
アフタースポーン狙いに変えると50cmのバスが釣れた!
アフタースポーン狙いとなると、今度は季節の進行が早いエリアを先取りする必要がある。レザミ3世号の進路を南へとり、一気に南湖南エリアまで走った。
南湖南エリアとは個人的な感覚では下物浚渫跡より南。ディープホールを除けば、最深部でもせいぜい4.5mくらい、沖は3.5~4.5mのミドルフラットエリアといえよう。琵琶湖全体でも一番季節の進行が早い場所なので、ここでアフタースポーンバスが溜まっているスポットを探すことにした。
ガーミンのサイドビューという横方向を見る魚探で捜索開始。探すのはバスではなく、ウィードパッチ(水草が密集して生えた場所)だ。荒れた湖面をアイドリングで流し、広大なエリアを魚探がけしていく。
半端に生えたウィードが多く、なかなかいい感じのパッチを見つけられずにいたが…ようやく、こんもりとしたパッチを見つけることができた。とりあえず、ブレーバー5.7inの1.8gネコリグからスタート。アフタースポーンのバスを狙うルアーは小さく、軽く、が基本。スポーニングで体力を消耗したバスはウィードやマンメイドなどのいわゆる「タテストラクチャー」に着く傾向がある。それをライトリグのフォールやボトムシェイクなどで反応させるのがオールドスクールな釣り方である。
キャストして、フォールさせると…バスが反応して寄ってくる…が簡単には食わない。何箇所かのパッチをやってみたが、どうも反応が鈍い。なので、狙いをパッチではなく、ハードボトムっぽいところにチェンジすることにした。
レザミ号で探すと…見つけた。それっぽい場所を。魚探によると、ウィードがまばらに生えているものの、岩っぽいモノが少しゴロゴロしているように見える。そして、ここにはバスの影が多いのだ。
ウィードが少ないので、フォールよりもボトムでの安定したアクションを重視して、リグを5gフリーリグに変えてみた。ボトムでシェイクしながらゆっくりとしたズル引きをしていると…すぐにバイト!何投か後にも再びバイトがあり、今度は合わせてみた。フッキングが決まり、上がってきたのは狙い通りアフタースポーンのバス。体長は50cm、回復したオスのように見える。
バスの数も多いし、反応もいい。ここなら3匹で6kgは釣れるかもしれないな…というほのかな手応えを持ってプラを終えた。

