「壁の中から声が聞こえる……」 救い出された子猫が今では家族の中心に 保護から約4年後の姿にほっこり

生まれて間もなく母猫と離れ離れになった子猫。今ではすっかりおとなになり、飼い主さんにベッタリ甘える姿にグッときます

お迎え当日の虎吉くん(撮影時、生後推定2週齢)。
引用元:@hanatora_family
お迎え当日の虎吉くん(撮影時、生後推定2週齢)。

紹介するのは、Instagramユーザー@hanatora_familyさんの愛猫・虎吉くん(取材当時4才)。元野良猫だった虎吉くんは、生後推定2週齢のころに飼い主さんの家族として迎えられました。

飼い主さんと虎吉くんは、どのようにして出会ったのでしょうか。出会いから家族に迎え入れるまでの経緯、そして現在の様子をうかがいました。

「壁の中から猫の声が……」
お迎えして間もないころの虎吉くん。
引用元:@hanatora_family
お迎えして間もないころの虎吉くん。

飼い主さんが当時勤めていた建設会社でのこと。お客さんの家から「壁の中から猫の声がする」との相談があり、壁に穴を開けてみると、中には小さな子猫──虎吉くんがいました。

近くに母猫の姿はなく、すぐに救出。社内で引き取り手を探したものの、なかなか見つからなかったそうです。

飼い主さん:
「『いなければ保護センターに相談しようか』という声もあったので、『一旦うちで預かって里親を探します』と名乗り出たんです。

でも、ひと晩お世話をしただけで、もうメロメロに。誰にも渡したくなくなりました。夫と話し合い、正式にうちのコとして迎え入れることにしました」

ラグの下に潜り込むブーム到来中の虎吉くん(撮影時、生後推定4カ月)。
引用元:@hanatora_family
ラグの下に潜り込むブーム到来中の虎吉くん(撮影時、生後推定4カ月)。

お迎え当時の虎吉くんは、まだ生後間もないミルクの時間が欠かせない時期。飼い主さんのお姉さんにも協力してもらいながら、3時間おきの授乳など手のかかる時期を一緒に乗り越えたといいます。

4才になった虎吉くんは「すっごく甘えん坊なコ」に!
4才の誕生日を迎えた虎吉くん。
引用元:@hanatora_family
4才の誕生日を迎えた虎吉くん。プレゼントと一緒に記念撮影。

出会ったときは乳飲み子猫だった虎吉くんも、今では4才のおとなの猫に。飼い主さんにベッタリの甘えん坊へと成長しました。

トイレやお風呂にもついて行き、帰宅時には玄関でお出迎え。飼い主さんとふたりっきりの時間には、膝の上に乗って30分以上もゴロゴロとのどを鳴らしてくつろぐのが日課です。

甘えん坊な虎吉くん。
引用元:@hanatora_family
甘えん坊な虎吉くん。

飼い主さんのことをとても信頼している虎吉くん。首から下を触られるのは苦手だそうですが、爪切りのときはお利口さんにしてくれるそう。

また、おやつがなくても名前を呼ぶと走って来てくれる姿に、飼い主さんは「健気でとっても愛おしいです」と話します。

“亭主関白”な一面も?
前足を伸ばす虎吉くん。
引用元:@hanatora_family
前足を伸ばす虎吉くん。

一方で、くつろいでいるときに飼い主さん以外が前を通るとパンチをしたり、“にゃーにゃー”文句を言うことも。「まるで亭主関白みたいです」と、飼い主さんは笑います。

飼い主さん:
「虎吉は臆病だからこそ、自分のテリトリーに他人が入ってくると反応してしまうのだと思います。でも、根は優しいコで、手を出すときも相手を見て爪をしまっているんです。

なぜか夫にちょっかいを出されたときだけは本気で反撃しますけど(笑)」

朝の運動会をする虎吉くん。
引用元:@hanatora_family
朝の運動会をする虎吉くん。

そんな虎吉くんも、動物病院では“借りてきた猫”のようにおとなしくなるそう。飼い主さんにしがみつき、じっと耐えるいじらしい姿を見せます。そのギャップがたまらなく愛らしいですね。

頼もしい相棒・はなちゃん “姉御ぶり”にほっこり!
(写真左から)虎吉くん、先住犬・はなちゃん
引用元:@hanatora_family
(写真左から)虎吉くん、先住犬・はなちゃん

飼い主さん夫婦の間にお子さんが生まれたあとも、虎吉くんは変わらず穏やかに過ごしています。新しい環境にも少しずつ慣れ、優しい一面を見せてくれるようになりました。

そんな虎吉くんが心を許している家族がもうひとりいます。先住犬のはなちゃん(取材時5才)です。

笑顔が眩しいはなちゃん。
引用元:@hanatora_family
笑顔が眩しいはなちゃん。

はなちゃんもまた、さまざまな事情から保護された元保護犬。飼い主さんは譲渡会で出会い、「このコだ」と感じたそうです。

虎吉くんの顔をなめるはなちゃん。
引用元:@hanatora_family
虎吉くんの顔をなめるはなちゃん。

虎吉くんにとって、はなちゃんは“頼れるお姉さん”的存在。一度も歯向かったことがなく、自然と一歩下がって接しているようです。

一方のはなちゃんは、優しく見守りつつも、必要なときにはピシッと注意する姉御肌の頼もしい相棒です。

飼い主さん:
「虎吉が私に甘えに来て、テンションが高いとそのままはなちゃんにもスリスリしようとするんですが、はなちゃんは静かに“ムキ顔”に。虎吉は『やべっ』って顔をして、何事もなかったかのように逃げてきます(笑)」

一緒に窓の外を眺める虎吉くん、はなちゃん。
引用元:@hanatora_family
一緒に窓の外を眺める虎吉くん、はなちゃん。

夜中の“運動会”でも、はなちゃんの姉御ぶりは健在。飼い主さんが「静かにしようねー」と声をかけても無視して走り回っていた虎吉くんが、はなちゃんに「ウー」と一声言われた瞬間、ピタッと静かになったこともあるそうです。

そんなふたりは、今ではお互いを尊重し合う“ちょうどいい距離感”で暮らしています。窓辺で並んで日向ぼっこをする姿に、飼い主さんは「立派なおとなになったんだな」と感じるそうです。

虎吉くんへの思い
飼い主さんをじーっと見つめる虎吉くん。
引用元:@hanatora_family
飼い主さんをじーっと見つめる虎吉くん。

これまで猫と暮らした経験がなかったという飼い主さん。お迎え当初は試行錯誤の連続でしたが、虎吉くんは健やかに成長してくれました。

今では家族の中心として、穏やかな毎日をともに過ごしています。

無防備な虎吉くん。
引用元:@hanatora_family
「虎吉が暖めてくれる膝と、静かな空間に響くゴロゴロ音——心身に染みてこの上ない幸せをくれます」と飼い主さん。

そんな虎吉くんに、飼い主さんは感謝の思いを語ります。

飼い主さん:
「今日までいいコで元気に大きくなってくれて、うれしく思います。いろいろな思いがありますが、虎吉に一番伝えたいことは『私に出会ってくれてありがとう。そして、うちのコになってくれてありがとう』の気持ちです。

虎吉はお出かけができないので、はなちゃんに比べてお留守番も多く、寂しい思いをさせていることもあるかもしれません。それでも、少しでも多く『ありがとう』と『大好き』が伝わっていればいいなと思います」

写真提供・取材協力/@hanatora_familyさん/Instagram
取材・文/山田リタ
※この記事は投稿者さまに取材し、了承の上制作したものです。2025年10月時点の情報であり、現在と異なる場合があります。

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