高齢になると、複数の疾患を抱えることが増え、診療科を受診するたびに薬の数が増えていくことがあります。たくさんの薬を飲めば、それだけ体に良いのでしょうか? そこで今回は、薬をたくさん飲んでいるから安心できるは本当なのかについて「あゆみ野クリニック」の岩崎先生に解説してもらいました。

監修医師:
岩崎 鋼(医療法人仙豆会いこいクリニック)
医療法人仙豆会いこいクリニック理事長。体調に合わせた保険診療内での煎じ薬治療を実践。元東北大学附属病院漢方内科臨床教授。元日本東洋医学会東北地区専門医制度委員長。元日本老年医学会評議員。東北大学医学部出身、老年内科で医学博士取得。その後漢方内科に移籍。
編集部
家族がたくさんの薬を飲んでいて心配になってしまいます。
岩崎先生
そうですね。たくさんの診療科にかかっている方は、気づくと薬が何種類も出ているということが多くありますが、やはり注意は必要だと感じています。
編集部
懸念について、もう少し詳しく教えてください。
岩崎先生
例えば、胃酸を抑える薬と血液をサラサラにする薬、さらに骨粗しょう症の薬と頻尿の薬と便秘薬などの薬を飲み続けている高齢者もいらっしゃいます。もちろん、一つひとつの薬には、確かにそれぞれの効果はあるのですが、これは「多剤服用(ポリファーマシー)」といって、副作用などのリスクが高くなると言われています。
編集部
どのくらい高くなるのでしょうか?
岩崎先生
例えば、日本老年医学会では75歳以上の後期高齢者が6個以上の経口薬(飲み薬)を飲むと、5個以下の場合よりも副作用のリスクが10%上がると報告しています。高齢者が多くの薬を常用するのは決して珍しいことではありません。調査によると、多数の疾患が併存している「マルチモビディティ」の割合は、65歳以上で6割以上と言われています。
※この記事はメディカルドックにて<高齢者にとって「多剤服用」が危険な理由 掛かる病院が増えると薬も増える悪循環>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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