「ストレスで胃が痛くなった」という経験をした人は、意外と多いのではないでしょうか? 一体なぜ、ストレスを感じると胃が痛くなるのかご存じですか? また、胃痛を感じたとき、どのように対処したらいいのかも気になるところです。そこで、ストレスで胃が痛くなるメカニズムと対処法について、「千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡・日帰り手術クリニック 健診プラザ」の鈴木先生に解説してもらいました。

監修医師:
鈴木 隆二(千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡・日帰り手術クリニック 健診プラザ)
聖マリアンナ医科大学卒業。その後、東京女子医科大学消化器病センター助教を務める。2020年8月、「筑波胃腸病院」(茨城県つくば市)の理事長に就任。 2024年4月、「千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡・日帰り手術クリニック 健診プラザ」(千葉県柏市)を開院。医学博士。日本消化器内視鏡学会専門医、日本外科学会専門医。麻酔科標榜医、産業医、難病指定医。
ストレスで胃が痛くなる原因
編集部
なぜ、ストレスを感じると胃が痛くなるのでしょうか?
鈴木先生
ストレスを受けると自律神経の働きが乱れやすくなり、その結果、胃の運動が不安定になったり、胃酸が過剰に分泌されたりします。そのため、胃の粘膜が傷つきやすくなり、痛みや違和感が表れるのです。
編集部
検査で異常が見つからない場合もあるのですか?
鈴木先生
はい。特に胃に異常が見つからなくても、痛みや吐き気が起きることもあります。
編集部
ストレスによる胃の不調でみられる症状には、どのような特徴がありますか?
鈴木先生
胃の痛み以外に、胃もたれ、食欲不振、吐き気、膨満感などがみられることもあります。これらは一過性の場合もありますが、ストレスが続くと慢性的な症状に変わることもあります。
編集部
ストレスがあっても、胃が痛む人と痛まない人がいます。これは体質なのでしょうか?
鈴木先生
体質というより、ストレスの感じ方や対処の仕方が影響します。「真面目で責任感が強い人」や「感情を内にため込みやすい人」は、体に症状が出やすい傾向があるとされています。実際、ストレスによる胃の痛みを訴える人のなかには、仕事が忙しい人や家庭に悩みがある人など、様々な人がいらっしゃいます。
ストレスによる胃痛を放置するリスク
編集部
ストレス性の胃痛を放置するリスクはありますか?
鈴木先生
「慢性的な胃の炎症」「胃潰瘍」「機能性ディスペプシア」など、消化器疾患につながる可能性があります。これらはストレスによって胃の粘膜が守られにくくなり、傷つきやすい状態が続くことが原因となります。
編集部
胃の不調が続くと、全身にも悪影響がありますか?
鈴木先生
はい。痛みや食欲不振によって栄養が偏ってしまい、体力や免疫が落ちる可能性もあります。また、睡眠不足やイライラ、気分の落ち込みを招き、心身ともに悪循環に陥ることも少なくありません。
編集部
ストレスが原因の胃痛で、「がん」になることはあるのでしょうか?
鈴木先生
ストレスそのものが直接がんを引き起こすことはありませんが、胃の炎症が慢性的に続くと胃の粘膜に炎症や潰瘍が作られやすくなります。その結果、がんのリスクが高まることもあります。そのため、長引く症状は軽視せず、適切にケアするようにしましょう。
編集部
放置してはいけないサインがあれば教えてください。
鈴木先生
胃痛とともに黒い便、吐血、体重の急激な減少、夜間の強い痛みなどがみられる場合は注意が必要です。また、胃痛が繰り返し起きて日常生活に支障をきたす場合も、受診をおすすめします。

