「トイレ格差」の経済損失は年間3000億円以上
さらに深刻なのが「女子トイレ比率」の地域差です。男性用1に対する女性用の比率を算出したところ、都市部で低いスコアが目立ちました。トップは京都府(2.20)、山口県(1.88)、福井県(1.85)で、最下位は愛知県(1.27)となっています。
この「女子トイレ不足」による経済損失について、TOIMAPは年間3000億円以上の機会損失が発生していると試算しています。観光客や外出を控える要因となる「トイレ不安」が、地域経済に与える影響の深刻さを物語っています。
データに基づく「トイレの資産化」を目指す
TOIMAPの担当者は「トイレはコストである」という従来の認識を改め、今回の分析で明らかになった「地域格差」を解消することで、トイレを「まちの資産」に転換できると提言しています。
同社は「洋式化率」や「女子比率」が高い地域ほど、適切な改善により「トイレという『資産』に投資する」ことで、インバウンドを含めた持続的な地域活性化の基盤を築くことができると考えています。
TOIMAPはEBPM(証拠に基づく政策立案)を支援するプラットフォームとして、マクロな課題の解決から、市民一人ひとりまで実感できるミクロな改善データまで、様々な様式や時間軸と実例を連動させ、トイレを「コスト」から「まちの資産」へと変換する「デジタル・ホスピタリティ」の社会実装を推進。今回の分析により、全国のトイレ環境における地域格差の実態が数値で明らかになりました。
(LASISA編集部)

