Medical DOC監修医が大腸がんの末期症状などを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「大腸がんの主な5つの症状」はご存知ですか?初期症状・末期症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
丸山 潤(医師)
【保有資格】
医師/医学博士/日本救急医学会救急科専門医/日本集中治療医学会集中治療専門医/DMAT隊員/日本航空医療学会認定指導者(ドクターヘリの指導者資格)/JATECインストラクター/ICLSインストラクター
「大腸がん」とは?
大腸がんとは、大腸(直腸・結腸)に発生するがんで、腺腫という良性のポリープががん化してできるものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。
がん罹患数における大腸がんの割合は全体の1位であり、日本人にとって身近ながんの1つです。日本人では特に直腸とS状結腸にできることが多く、大腸がん全体の70%を占めます。
動物性の脂肪を摂取すると、胆汁酸によって分解され大腸へ運ばれますが、大腸へ移動した胆汁酸は悪玉菌によって二次胆汁酸へと変化します。
この二次胆汁酸には発がん物質が含まれているため、胆汁酸が増えるとがんの発生リスクが高まると言われており、食生活の欧米化が進んだ日本において大腸がんは増加傾向です。
大腸がんの末期症状
大腸がんの末期症状とは、大腸がんが進行して他の臓器に転移し、さまざまな症状を引き起こす状態です。
大腸がんは他のがんと比べて生存率は高い部類に入りますが、ステージ4まで進行した状態での生存率は10~15%と、その予後は厳しいものとなっています。
積極的な治療の効果が期待できない段階に入ると、終末期として苦痛を取り除く緩和ケアへ移行することになります。
腹膜播種(ふくまくはしゅ)
大腸にできたがん組織が大きくなり、腸壁の外まで広がると、がん細胞が腹腔内にこぼれて散らばったような状態になります。これを腹膜播種と呼びます。
腹膜播種の状態になると、腹水が溜まったり、激しい腹痛が起きたりとさまざまな症状が出現します。
腹膜播種は抗がん剤による化学療法が治療の主体となります。
一般的に腹膜播種発生後の予後は不良ですが、発生源である大腸がん(原発巣)の切除や縮小で腫瘍の量を減らすことで生存期間が延びた事例もあります。したがって、主治医と相談しながら最適な治療を選択していくことが重要となります。
強い倦怠感
余命一ヶ月を迎えたあたりから身体の状態は急速に変化し、身体の強い倦怠感が生じると言われています。
がんそのものの症状や、治療や薬剤の副作用が主な原因として挙げられます。
特徴として、休息や睡眠での回復が見られず、常に倦怠感が続くことから不安や抑うつ状態に陥ることもあります。
症状に合わせ、苦痛を取り除く対処を緩和ケア科やホスピスケアと相談していきます。緩和ケアについてはこのような末期症状が出現する前から少しずつ相談を始めることで、穏やかに過ごすことができるため早めの導入が推奨されています。
意識障害
がん闘病中には「せん妄」という日内変動のある(1日の間で波がある)意識障害が出現することがあります。
これは、治療に用いる薬物や低酸素状態などの理由で、脳の神経伝達に異常が出ることが一因と考えられています。
主な症状に幻覚、妄想、見当識障害、不穏(気分が落ち着かずそわそわする)、昏睡などが挙げられます。
また、がんの疼痛を和らげるために使用する麻薬や鎮静薬の副作用で、うとうとして意思疎通が取れない状態になることもあります。痛みをコントロールする際はなるべく意思疎通が取れるように薬を少なめにするよう努めますが、どうしても末期がんの疼痛が強い場合は、痛みを抑えることが優先されるケースもあります。

