
実写版「シンデレラ」でシンデレラを演じたリリー・ジェームズ主演の映画「スワイプ:マッチングの法則」がディズニープラスのスターにて、9月19日より独占配信中。この度、ジェームズと本作で監督を務めたレイチェル・リー・ゴールデンバーグのインタビューが公開された。
■マッチングアプリ「Bumble」の創設者・元CEOの成功譚
本作は、世界中に多くのユーザーを持つマッチングアプリ「Bumble(バンブル)」の創設者で元CEOのホイットニー・ウルフ・ハード氏の成功譚に着想を得たサクセスストーリー。
ホイットニー氏は、男性優位のテック業界の中で数少ない成功を収めた女性の1人。女性主導という革新的なマッチングアプリ「Bumble」は世界的に称賛され、2021年、自らの力で財を築いた史上最年少(当時31歳)の女性ビリオネアとなった。そんな彼女の成功譚を基に描く本作は、単なるサクセスストーリーではなく、ひとりの女性が不平等や偏見と戦いながら、自らの声を武器に世界を変えていく姿を描いた力強いメッセージが込められたエンパワーメント作品となっている。
主人公で、マーケティングの天才と称されるホイットニー・ウルフ役を務めるのは、実写版「シンデレラ」でシンデレラを演じたジェームズ。実力でのし上がったホイットニーを凛々しく演じるとともに、本作のプロデューサーも務めている。
■リリー・ジェームズ インタビュー
ーー主人公ホイットニー・ウルフは史上最年少の女性ビリオネアで、リリーさんも若くして成功されていますが、彼女に共感する部分は?
そう願っています。彼女について学び、リサーチする過程は本当に楽しく、困難や挫折に直面しても揺るがない、あの並外れた勇気を見習いたいと思いました。
そうした経験を自らへの大きな使命、原動力とし、新たな方法で影響力を発揮しようとした彼女のような誠実さと情熱、そして不屈の精神を持った生き方をしていきたいです。
ーー実在の起業家を演じるにあたり、意識した点はありますか?また彼女の魅力は?
彼女のインタビューをすべて見て意識したのは、彼女が驚くべき速さと明瞭さ、そして確信を持って話すことでした。
彼女は情熱を注いで世の中を変えたい、世に貢献したいと思うことが山ほどあるから頭の回転が速い。それは個人がいかに大きな影響力を持てるかに繋がってくると思います。私はそんな彼女の生命力をとらえたかったのです。
彼女の魅力はこの自信と不屈の精神だと思います。そして自らの野心に真正面から向き合い、それを自分のものとして受け入れること。それは、世界中の若い女性に向けて発信すべき素晴らしい物語でありメッセージです。
ーーもしあなたがマッチングアプリを使うとしたら、どんなプロフィールを書きますか?
正直なところ、私にはまったくわかりません。でもこういうマッチングアプリで本当に素晴らしいと思うのは、自分をさらけ出さないといけないところ。私は自分のプロフィールを書くのは苦手なので、もし私が使うことがあれば、友達に頼んで書いてもらいます(笑)。
ーー本作ではプロデューサーも務めていますが、製作面でこだわった部分を教えてください
この映画を作り上げたのは、非常に強力なプロデューサー陣でした。私がプロデューサーとして参加したのは、プリプロダクションからポストプロダクションに至る過程で、キャスティングや各部門責任者との調整、脚本リライト、そして編集作業に至るまで、創造的な意見を言い、作品をリードするためでした。
これは正直なところ、私にとって大きな学びの場でした。この経験は、今後の製作活動においてプロデューサーの役割とは何か、そして私が本当に伝えたい物語とは何かを教えてくれました。
ーー今後演じてみたい役や、プロデュースしたい作品があれば教えて下さい。
日本のファンの皆さんへ、心からの愛をお届けしたいです。ぜひ「スワイプ:マッチングの法則」をご覧ください。重要なテーマを掘り下げた、本当にワクワクする作品です。
そして私は日本が大好きです。東京は世界で一番好きな場所です。つい先日、三池崇史監督と撮影しました。また日本に戻るのが待ちきれません。
■レイチェル・リー・ゴールデンバーグ監督 インタビュー
ーーこれまでにも女性のエンパワーメントを描いた作品を数々手掛けられていますが、今回ホイットニー氏の人生に着目したきっかけは何ですか?
ホイットニーの話を知った時、まだ映画化されていないことが信じられませんでした。この物語は、スケールも大きく、数々の偉業と壊滅的な失敗、そして数十億ドルが絡んでいる。とても映画的で、エキサイティングで、圧倒的なスケール感があると感じました。
同時に、彼女が職場環境の苦境を乗り越え、違うやり方に挑戦する姿は私自身にも強く響きました。プロフェッショナルな世界で生き抜こうとする女性として、人々に公平であろうとしながら、どう成功するかを模索するんです。それは、ちょっとした旅のようなものでした。
ーー監督として、本作で特に描きたかったテーマやメッセージは何ですか?
中心となる最大のテーマは、個人の選択がどのように文化を形作るかということです。人々が、たとえ欠点があっても、現在の文化の中で働き、それを永続させるのか、それとも変化を起こすのかを選ぶ。自分のあらゆるものをリスクに晒してでも正しいことを行うのか、というこの緊張感こそが、私が本当に探求したかったものなのです。
また、多くの人々が何らかの形で、職場で被害を受けていることに共感できるはずので、そうした現実を非常に地に足がついた、リアルな形で描くことが重要だと思いました。
ーー主役にリリー・ジェームズをキャスティングした理由を教えてください。
私は以前から彼女のファンでした。彼女が「パム&トミー」でパメラ・アンダーソンを演じたときは、特にとても感動しました。それは本当に興味深く、勇気ある演技だと思いました。
彼女が、この映画でホイットニー・ウルフを演じたいと言ったときはとても興奮しました。彼女は私と一緒に、ホイットニーに関するあらゆる資料を読み、ビデオを観て、本当に深く掘り下げるなど、彼女のリサーチは徹底していました。私は、この映画で真のパートナーを得たと感じました。
ーープロデューサーとしてのリリーはいかがでしたか?特に印象に残っている出来事はありますか?
プロデューサーとして彼女は、まるで、ホイットニー・ウルフ本人がやってきたかのようでした。脚本から撮影、ポストプロダクションに至るまで、彼女は常に私のそばにいてくれて、音楽の提案までしてくれたんです。
共演のダン・スティーヴンスや他の俳優をキャスティングするために、自ら俳優に連絡を取ってくれました。私と一緒に、すべてを成し遂げる上で、彼女は不可欠な存在でした。
ーー今回のように実在の人物を描く場合と、完全にフィクションの作品を作る場合とでは、脚本作りや演出上でどのような違いがありますか?
実在の人物を題材にした映画を作ることは、非常に大きな責任を伴います。私はこの責任を非常に重く受け止め、大きなプレッシャーを感じると同時に、これまでとは異なる方法で正しく描きたいと強く思いました。そのため、可能な限り徹底的なリサーチを行う必要がありました。
自分がどんな物語を語ろうとしているのかを確実に理解するために。フィクション作品とは違って脚本を書き始める前に全く別のプロセスが必要になるんです。
ーー出会い系アプリについてどういうことを学びましたか?
長年同じパートナーと付き合っているので実際に自分でアプリを使ったことはなかったんです。それでアプリが生まれた経緯を学び、これまでの歴史を振り返ると、今では本当にどこにでもある存在で、「独身なら当然デートアプリを使っているだろう」という一般感覚を学びました。
でも当時の2012年を振り返ると、まだ全然一般的ではありませんでした。クールなものではなくて、むしろ社交的に苦労している人々のためのものと見られていました。今や私たちの文化に欠かせない存在としてマッチングアプリを定着させたTinderの手法を改めて振り返るのは、本当に驚くべきことでした。
ーーあなたは、監督、プロデューサー、脚本家として活躍されていますが、どのお仕事が一番好きですか?
間違いなく監督をしている時が一番幸せです。脚本を書く事も、自分が監督したい作品に辿り着くための手段なのです。だから、監督以外の仕事の時も、すべてのことに監督的な視点からアプローチしています。

