ウイルス性肝炎の前兆や初期症状について
ウイルス性肝炎を発症しても無症状で経過することがあります。しかし、無症状で経過しても病状は進行するため、何らかの症状を認める時には既に肝機能の悪化が進行していることがあります。
初期症状は感染したウイルスの種類によっても異なり、主に以下のような症状がみられます。
A型肝炎の初期症状
2〜6週間の潜伏期間を経て以下のような症状が現れます。
発熱
倦怠感
食欲不振
悪心・嘔吐
腹痛
黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
これらの症状は、通常数週間から数ヶ月程度続くことがあります。しかし、多くの場合自然に軽快します。
B型肝炎の初期症状
2ヶ月〜5ヶ月の潜伏期間を経て以下のような症状が現れます。
発熱
倦怠感
黄疸
関節痛
皮膚のかゆみ
B型肝炎は、急性期を過ぎると症状が慢性化することがあります。慢性化すると肝臓が硬くなる「肝硬変」や肝臓がんの発症リスクが高まります。
C型肝炎の初期症状
2ヶ月〜6ヶ月の潜伏期間を経て以下のような症状が現れます。
倦怠感
食欲不振
軽度の黄疸
筋肉痛
関節痛
C型肝炎は無症状で経過することもあります。しかし、慢性化のリスクがあり、肝硬変や肝がんに進展する恐れがあるため注意が必要です。
D型肝炎の初期症状
1ヶ月〜6ヶ月の潜伏期間を経て以下のような症状が現れます。
発熱
倦怠感
黄疸
D型肝炎は、B型肝炎と同時に感染したり、重複感染したりすることがあります。いずれの場合にも、B型肝炎単独の発症時よりも重症になる傾向があります。
E型肝炎の初期症状
2週間〜6週間の潜伏期間を経て以下のような症状が現れます。
発熱
倦怠感
食欲不振
悪心・嘔吐
黄疸
腹痛
E型肝炎はA型肝炎と似た症状を呈することがあるものの、重症化したり致命的な状態に陥ったりすることもあります。特に妊娠後期の人が感染した場合には重症化するリスクが高く、命に関わることもあるため注意が必要です。
ウイルス性肝炎の検査・診断
肝炎ウイルスへの感染を特定したり肝機能を評価したりするため、血液検査や画像検査、肝生検などが行われます。
血液検査
血液検査では、ASTやALT、ビリルビン値などの肝機能を示す項目を確認します。また、
原因となるウイルスの抗体(HAV抗体、HBs抗原、HCV抗体など)を検出して感染の有無を確認するほか、血液中のウイルス量を測定して感染の程度を評価します。
画像診断
画像診断では、肝臓の状態を詳しく調べたり肝硬変や肝がんの評価をしたりするため、超音波検査やCT、MRI検査などが行われます。
肝生検
肝生検とは、肝臓の組織を一部採取して細胞の状態を顕微鏡で調べる検査です。ウイルス性肝炎の進行度や肝硬変、肝がんの評価などのために行われます。

