ウイルス性肝炎の治療
原因となるウイルスの種類や症状の重さに応じた治療が行われます。
A型肝炎の治療
A型肝炎は多くの場合自然に軽快するものの、中には重症化するケースもあるため一般的には入院にて経過を観察します。入院中は安静にし、血液検査データを確認しながら重症化の有無を確認します。不快な症状がみられる場合には、症状を和らげるための薬物療法が行われます。
B型肝炎の治療
B型肝炎の治療では、入院のうえ薬物療法が行われます。薬物療法では、免疫によってウイルスの活動を抑える「インターフェロン」と、ウイルスの増殖を抑える「拡散アナログ製剤」が用いられます。
C型肝炎の治療
C型肝炎では、体内からウイルスを排除するための薬物療法が行われます。
従来はB型肝炎と同様インターフェロンが用いられていたものの、近年ではインターフェロンフリーの薬剤が広く用いられています。
D型肝炎の治療
D型肝炎の治療は、B型肝炎の治療に加えて行われます。主にインターフェロンが用いられるものの、治癒が困難であるほか、治療中止後に再発するリスクもあります。そのため、通常は長期間の治療を要します。
E型肝炎の治療
E型肝炎は通常自然に治癒するものの、重症の場合や妊娠中の場合は入院治療が必要なケースもあります。E型肝炎ウイルスに有効な薬剤は存在しないため、症状の管理が中心に行われます。
ウイルス性肝炎になりやすい人・予防の方法
以下に該当する人はウイルス性肝炎を発症するリスクがあるといえます。
衛生状態の悪い地域への渡航歴がある
医療従事者
他人と注射器を共有している
不特定多数のセックスパートナーがいる
肝臓疾患の既往歴がある
A型・E型肝炎ウイルスは衛生管理の行き届いていない地域で経口感染する可能性があります。渡航中は不衛生な水を飲んだり生肉を食べたりしないよう注意し、手洗いなどの感染対策を行いましょう。
また、A型・B型肝炎ウイルスに対してはワクチン接種が有効であり、特に感染リスクの高い医療従事者や旅行者、重症化リスクの高い新生児への接種が推奨されています。
C型肝炎ウイルスは主に血液を介して感染するため、不衛生な器具を使用しての入れ墨、ピアスの開通などは注意が必要です。
このほか、不特定多数のパートナーとの性行為を避け、適切にコンドームを使用することでB型・D型肝炎ウイルスの感染予防が期待できます。
関連する病気
急性肝炎慢性肝炎
肝硬変肝細胞癌
参考文献
厚生労働省「ウイルス性肝炎について」
NIID国立感染症研究所「急性ウイルス性肝炎とは」
NIID国立感染症研究所「A型肝炎とは」
厚生労働省検疫所FORTH 「B型肝炎」
厚生労働省検疫所FORTH 「D型肝炎について」
厚生労働省検疫所FORTH 「E型肝炎」
厚生労働省検疫所FORTH 「C型肝炎」
国立研究開発法人国立国際医療研究センター国府台病院「B型肝炎治療」
国立研究開発法人国立国際医療研究センター国府台病院「C型肝炎治療」

