“ママのおかず”が教えてくれる家庭の味
料理が出てくる前に、まずテーブルに運ばれてくるのが、“ママのおかず”4種。ナムル、チャンジャ、そして、特製キムチ。

どれも少しずつ、でもひと口ごとにきちんと手間が伝わってくる。なかでも人気なのが、海鮮エキスを使ったキムチ。口に入れた瞬間、旨みと辛さがふわっと広がる。
あまりの美味しさに、キムチだけを買って帰る常連も少なくない。

「手間かかるけどね、うちの味はこれやから」ママがそう言って笑う。その笑顔が、この店の味の秘密かもしれない。
日本の調味料と出会って、またひとつ深くなった
「私、くる人みんなに言うけど、日本の醤油は本当に美味しいのよ」そう話すママの目は、ちょっと嬉しそうだった。

長年育ててきた韓国の味に、日本の旨味を少しずつ重ねていくことで、「チング」の料理はここにしかない深みを持つようになった。まろやかで、コクがあって、でもどこかやさしい。そんな味わいは、土地に寄り添ってきた証かもしれない。
