キャンプの際、自然の中で食べる炊きたてのご飯の味は格別ですよね。でも、「飯ごうで炊いたら芯が残った」「メスティンが焦げ付いてしまった」なんて失敗談もよく聞きます。そこで今回は、キャンプで失敗しないご飯の炊き方を徹底解説!道具選びの基本からアイテム別のコツ、次のキャンプで真似したくなる絶品レシピまで、分かりやすくご紹介します。
この記事でわかること
キャンプでご飯を炊く前に!まずは基本の道具を知ろう
美味しいご飯を炊くには、まず道具を知ることから始まります。
まずは必要な道具や、炊飯に適したギアの特徴などを確認していきましょう。
炊飯に必要な「基本セット」
まずは、キャンプでの炊飯に最低限必要なアイテムをリストアップしました。
必要な道具
このほかにも、吸水時間や炊飯時間を正確に測るための「タイマー」があると、失敗がぐっと減ります。
また、焚き火で炊飯する際には「うちわ」や「火吹き棒」を用意すると、火加減調整に便利ですよ。
道具のメリット・デメリット
ご飯を炊く道具は一つではありません。キャンプでよく使われる代表的な5つのアイテムについて、メリット・デメリットをまとめました。
どの道具も違った強み・弱みがあり、一概にどれが良いとは言い切れません。キャンプスタイルや好みにあわせて、最適な道具を選ぶようにしてくださいね。
キャンプで失敗せずに美味しくご飯を炊くコツ
キャンプでの炊飯は、いくつかのコツを押さえるだけで失敗がぐっと減ります。
「難しそう」と感じて敬遠していた方も、ここからご紹介する5つのコツを覚えて、ぜひ美味しい炊きたてご飯を目指してみてくださいね。
1.米と水の「計量」は正確に行う
炊飯で最も重要なのが計量です。ここで目分量にしてしまうと、芯が残ったり、柔らかくなったりする原因になります。
基本の分量は、米1合(180ml)に対して、水は200mlが基準です。炊飯するお米の量にあわせて、水の量を増減させましょう。
また、もし無洗米を使う場合は、水を少し多め(210ml〜220ml程度)にするのがおすすめです。無洗米は普通の米と違って、研ぐ必要のある「ぬか」の層がないため、同じ1合カップで計っても、ぬかの分だけ米の粒がギュッと多く入っているためです。
メスティンや飯ごうに刻まれている目盛りも便利ですが、最初は計量カップで正確に測るのが、美味しく炊くための一番のコツです。
2.「吸水」を最低30分(冬場は1時間)は行う
米にしっかり水を吸わせることも、ご飯を美味しく炊くための秘訣です。
研いだ米を計量した水に浸したら、最低でも30分は待ちましょう。特に気温が低い冬場や、標高が高い場所では水が浸透しにくいため、1時間から1時間半ほど、じっくり吸水させるのがおすすめです。
なぜ吸水時間が必要かというと、米のデンプンがうまく「糊化(こか)」するための準備時間だからです。
「糊化」とは、簡単に言うと、硬い「生米」が熱と水分を吸って、ふっくらと柔らかく、もっちりとした美味しい「ご飯」に変わること。もし吸水が足りないと、この変化がうまくいかず、米の芯まで火が通らず、ポソポソとした芯が残る原因になってしまいます。
筆者も、キャンプ場についたらテントを設営する前に、まず米を浸水させておくことがあります。設営している間にしっかり吸水できるので、設営後すぐに火にかけられてスムーズですよ。
3.火加減は「沸騰するまで中火 → 沸騰したら弱火」
炊飯の火加減は実はとてもシンプルで、まずは蓋をして中火にかけ、沸騰するのを待ちます。
鍋の隙間から湯気が出てきたり、蓋がカタカタと音をたて始めたら沸騰のサイン。そこから弱火(焚き火なら火から少し遠ざける)にして、10分から15分ほど加熱を続ければOKです。
沸騰のサインさえ見逃さなければ難しいものではありませんが、もし自信がない場合は、メスティン×固形燃料で「ほったらかし炊飯」にチャレンジしてみるのがおすすめです。
▼メスティンでのほったらかし炊飯についてはこちらの記事で紹介しています!
4.炊飯中は「絶対に蓋を開けない」
蓋を開けると鍋の中の温度と圧力が一気に下がってしまい、米にうまく火が通りません。結果として、芯のあるご飯になってしまいます。
昔から「赤子泣いても蓋取るな」と言われる通り、炊飯中はぐっと我慢しましょう。蓋を開けられない代わりに、「音」と「匂い」の変化に注意を向けてみてください。
炊き上がりが近づくと、グツグツという水の音から、「チリチリ」「パチパチ」という水分が飛んだ音に変わってきます。
匂いもとても大切なサインです。筆者の場合、最初は甘く水っぽい匂いがするのですが、それが消えて、香ばしい「炊きたてご飯」の匂い(いつも炊飯器で炊き上がった時にする、あの美味しい匂いです)に変わったら、火を止める目安にしています。
普段からご家庭でご飯が炊き上がった時の匂いを意識してみると、キャンプでも「あ、この匂いだ」と分かりやすくなりますよ。
5.火から下ろしたら「必ず10分以上蒸らす」
火から下ろしたらすぐに蓋を開けず、タオルや保温ケースで器具全体を包んで、上下逆さまにした状態で10分から15分ほど蒸らします。
この蒸らしの時間で、米の芯まで熱と水分が均一に行き渡り、ふっくらとした仕上がりになります。
また、鍋肌にこびりついたご飯も剥がれやすくなるうれしい効果も。焦らず待つこの時間が、美味しいご飯への最後の仕上げです。

