
この話は“ある女”に飼われている猫の視点でストーリーが進んでいき、ドライな性格の猫がキュートで、猫好きは心を奪われる作品である。物語の中盤で飼い主である“ある女”の正体が明らかとなり、ストーリーは大きく急ハンドルを切り、スピード感を増したままエンディングへと向かっていく。読者からは「感心しました。絵のセンス…!才能とはこうあるべきかもしれないと思いました」という声も届いた。

本作を描いたのは、2025年3月に『会話』で「pixiv漫画月例賞」を受賞したKYAN-DOGさんである。主にイラスト業の活動をしていたKYAN-DOGさんは、これまで単行本『ぼくのキャノン』(著:池上 永一)の装丁画などを手がけた経歴を持つ。「これまでも気の迷いで衝動的にマンガを描くこともありましたが、本格的に描きはじめたのは最近で、2024年12月ごろからです」と話す。
『猫である』はKYAN-DOGさんの過去作で「本当に趣味の延長でした」と話すが、着目すべき点はこの作品が“即興”で描かれたということ。漫画の“設計図”ともなるネームもなく、ラフなどの下書きもなしにその場で思いついたままを描いていく即興漫画というスタイルで、この完成度の高さであるから驚きだ!!その様子はメイキング動画としてアップされているが、「すばらしい」のひと言である。

KYAN-DOGさんに『猫である』について話を聞いてみた。
――本作は「即興漫画」と聞き、「天才ですか!?」と驚きました。絵のタッチや文字、すべて味があって大好きです!
ありがとうございます。この作品を描いたころはマンガの描き方もよくわからず、この『猫である』は奇跡的に完結できた作品でした。実は未完で終わってるマンガも多く、途中で飽きてしまって投げ出すスタイルを繰り返してました。この作品は「もうラクガキ感覚でいってみよう」という気持ちでトライしたら、たまたま衝動で一気に描けた作品です。
――メイキング動画も拝見しました。全22ページはおおよそどれくらいの時間で描き上げたものでしょうか?
2、3日くらいだった気がします。実はもう14年も前の作品なんです。時が経つのは早い…。まだ20代でガンガン夜更かしも徹夜もできてたので、夜中にコソコソと「飽きる前に描き切る!」という勢いで描き上げました。確かちゃんとそれで体調を崩して咳が止まらず、ゴホゴホした記憶があります。

現在、本格的に漫画家を目指しているというKYAN-DOGさんは、タテヨミマンガにも挑戦中で「ジャンプTOON NEXT!」(集英社)に作品を掲載中。ポンコツ女子高生とオカルト好きのポンコツ男子が登場する『のろわれ上手のやおよろず』は、女子高生のかみ合わない会話がおもしろく、また「コックリさん」「呪いのミイラ」などの都市伝説を題材に扱ったストーリー展開にもドキドキ!気になる人はこちらの作品もぜひ読んでみて。
取材協力:KYAN-DOG
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