しかし、そんな身近なもやしでも、野菜のプロから見ると、じつは避けてほしい「もったいない」調理法で食べている人が意外と多いのです。今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、やってしまいがちな「もったいない」もやしの食べ方について解説してもらいます。
ゆでたあと「水で冷やす」はもったいない!
もやしは加熱しないと食べられない野菜のため、炒めたりゆでたりと調理をしてから食べますよね。もやしをゆでた際、どのようにしてさましているでしょうか。ほうれん草や小松菜をゆでるときのように、流水に当てたり冷水にひたしたりして冷やしていませんか?実はこれ、「もったいない」食べ方。水で冷やすことによってもやしのシャキシャキした食感が失われてしまうほか、流れ出て行ってしまう栄養素も多いのです。そのため、もやしをゆでたあとは、ザルなどに上げてさますようにしてください。これを「陸上げ」または「生(き)あげ」と言います。
そもそもなぜゆで野菜を水で冷やす?
ゆでたほうれん草を水で冷やすのは常識なのに、なぜもやしはやらないの?と疑問に思う人もいるかもしれません。そもそも、ほうれん草を水で冷やすのには、きれいな緑色に仕上げるためや、アクを洗い流すなどの役割があります。ほかにも小松菜や春菊、菜の花なども同様の理由で水で冷やします。しかし、もやしの場合は緑色ではないですし、アクの多い野菜でもありません。そのため、水で冷やす必要がない!ということになります。

