「食後血糖値」の基準値と異常値は?
食後血糖値の基準を正しく理解することは、糖尿病の予防や治療の助けとなります。ここでは、食後血糖値の基準値と、注意すべき異常値について解説します。
「食後血糖値」の基準値
血糖値は摂った食事の種類や量によって変わるため、「食事をしてから測る」といった方法では一定の基準を設けることができません。そのため、食後血糖値の測定には、10時間以上絶食した空腹状態で75gのブドウ糖を含むソーダ水を飲み、血糖値の推移を調べる「75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)」が用いられます。
食後血糖値の基準値を、以下にまとめました。
判定 75gOGTT2時間値
正常型 140mg/dL未満
境界型(糖尿病予備軍) 140~199mg/dL
糖尿病型 200mg/dL以上
この表のように、75gOGTTの食後2時間での値が140mg/dL未満であれば「正常型」と判断されます。また、200mg/dL以上であれば「糖尿病型」、正常型と糖尿病型の中間は、糖尿病予備軍ともいえる「境界型」です。糖尿病の診断は、この食後血糖値と空腹時血糖値などを組み合わせて行われます。
「食後血糖値」の異常値
食後2時間で測定した血糖値が140mg/dL以上の場合、「食後高血糖」という状態と見なされます。これは、摂取した糖を体が適切に処理できていないサインです。この状態は、糖尿病に既になっているもしくは、糖尿病のリスクが高い状態といえます。
健康診断の空腹時血糖値はやや高い程度なのに、食後血糖値が非常に高い方もいます。本格的な糖尿病への移行を防いだり、糖尿病の悪化を防ぐのに、食後血糖値に異常があるかどうかは非常に重要な役割を果たしています。
糖尿病の疑いがある血糖値の数値は200mg/dL以上?
糖尿病の疑いがあると診断される食後血糖値(75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間値)は、200mg/dL以上です。
ただし、糖尿病の疑いがあるとされる血糖値は、食後血糖値以外に「空腹時血糖値」という基準もあります。このほかに、随時血糖値での200mg/dL以上、過去1,2か月の平均血糖値を反映するHbA1cが糖尿病の診断として用いられます。
検査 基準値
75gOGTT 2時間後の値が200mg/dL以上
空腹時血糖値 126mg/dL以上
随時血糖値 200mg/dL以上
HbA1c 6.5%以上
この4つの基準のうち血糖値のみ満たす場合には、別日の検査でも同様の高血糖を示した場合、もしくは血糖値とHbA1cの基準を満たした場合には糖尿病と診断します。この基準を満たさないものの高血糖がある場合は、「糖尿病の疑いがある」と診断されます。「口が乾く」「トイレの回数が増えた」「体重が減ってきた」などが、糖尿病の典型的な症状です。気になるものがある方は早めに内科や糖尿病内科を受診しましょう。
食後血糖値の異常を放置するとどうなる?
食後血糖値の異常は、初期には自覚症状がほとんどなく、見過ごしてしまうケースが少なくありません。ここからは、食後血糖値の異常について解説します。
隠れ糖尿病と血糖値スパイク
食後高血糖の中でも特に注意が必要なのが「隠れ糖尿病」と「血糖値スパイク」です。これらは、通常の健康診断では見逃されやすいという共通点があります。「隠れ糖尿病」とは、健康診断で測定する空腹時血糖値は正常範囲内や境界域なのに、食後血糖値のみが異常に高い状態です。
一方、「血糖値スパイク」は、食後に血糖値が急激に上昇したあとにインスリンの作用によって急激に下がるジェットコースターのような激しい血糖変動を指します。通常、食後の血糖値の推移をグラフにすると、ゆるやかな山のような形になります。しかし、血糖値スパイクの状態では、血糖値が急激に上下するため、グラフがとげ(スパイク)のような形になります 。この急激な血糖値の変動が血管に大きな負担をかけ、ダメージを与えるのです。
血糖値スパイクや隠れ糖尿病はどのような症状が出る?
血糖値スパイク、隠れ糖尿病のどちらも自覚症状があらわれにくいため、気付かずに見過ごされるケースが少なくありません。しかし、中には以下のような症状を感じる方もいます。
・食後の強い眠気・だるさ
・集中力の低下やイライラ感
・頭痛・肩こり
・ほてり・発汗
・異常な空腹感や手の震え
これらは、血糖値の急激な上昇やその後の急降下による低血糖によって起こると考えられています。

