抗がん剤以外の治療法
手術
転移のないがんを身体から全て切り取って根治を目指します。大腸がんなどで転移巣のみを切り取って症状のない状態を維持するための手術もあります。手術自体にも大きな負担がありますので、できるだけがんの専門医のもとで説明を受けて納得して治療に向かいましょう。
放射線治療
放射線をがんに当てて、がんの細胞分裂と増殖に必要な遺伝子情報を傷付けてがん細胞を死滅させる治療法です。抗がん剤治療と組み合わせて放射線治療をすることで、手術と同様の治療効果を得られることがあります。また、前立腺がんや手術しづらい部位の肺がんなど、放射線治療単独で治療を終わらせることのできるがんもあります。放射線治療を多く行っている病院とそうでない病院がありますので、放射線治療を強く希望する場合はセカンドオピニオン受診も考えましょう。
効果が証明された免疫療法
がん免疫療法は手術・抗がん剤・放射線治療に次ぐ第4のがん治療です。近年研究開発が進んだ分野で、たくさんの新薬が次々に効果が証明されて保険適応になっています。もっとも代表的なものが2018年ノーベル生理学医学賞を受賞した本庶佑氏の研究をもとに作られたオプジーボ(一般名ニボルマブ)です。他にも効果的な新薬や光免疫療法が保険診療で行えるようになってきています。
しかし、同じ「免疫療法」「光免疫」などと表示しながら効果が明らかになっていない別の治療法を、患者が全額治療費を支払う自由診療として行っている医療施設もあります。効果が公に証明されていない自由診療を行ってしまうと、効果が出ないばかりか元の病院に通うことができなくなることがあります。また、クリニックで行うことが多いため、副作用にきちんと対応してもらえません。自由診療を受ける前に病院の担当医とよく相談しましょう。
「抗がん剤を使わない場合の余命」についてよくある質問
ここまで抗がん剤を使わない場合の余命などを紹介しました。ここでは「抗がん剤を使わない場合の余命」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
抗がん剤治療をしないとどうなりますか?
鎌田 百合 医師
抗がん剤は余命を伸ばすと言えますが、抗がん剤を使わなかった場合の余命がどうなるかは、正直なところ誰にもわかりません。一般的に放置されたがんは時間が経つごとにそのまま大きくなったり、体内の別の場所へ転移したりしますが、人によってはそのまま大きくならないこともあるからです。がんの存在による痛みやつらさで生活の質が低くなっている場合、がん治療でがんを小さくして症状を和らげたりなくしたりすることも期待できます。まずは専門医のもとで診断とお勧めの治療についての説明を受けましょう。がんが大きくなるかどうかまだ初期のためわからず、専門医が経過観察を治療として指示する人もいます。主治医とよく話し合いましょう。
抗がん剤の代わりとなる代替療法について教えてください。
鎌田 百合 医師
残念ですが、がんの治療に効果のある代替療法は今のところはありません。効果があれば保険診療になるからです。効果をうたうweb広告や口コミは、眉唾なものが多く、かつ高額ですので気を付けましょう。一方、がんを治療するわけではないですが、がん治療を行う人を精神的身体的にサポートする方法はいくつもあります。これらは緩和ケアならびに補完代替療法(CAM)と呼ばれ、厚生労働省からガイドラインが発行されています。健康食品やハリ治療、ホメオパシーや運動などに関する記載があるほか、緩和医療学会発行のガイドラインでは効能が期待できるがんの種類や症状がより詳しく記載されています。しかし、代替療法はがん治療の妨げになることがあるので、希望する場合は主治医に相談しましょう。

