市松(北村匠海)が言う「1000万人が死ぬ」とは……そして白い男は何者?
兆の目的は前述した通りと予想するが、物語の敵(ヴィラン)にあたる市松が言い放った「アンタらのせいで1000万人が死ぬ」という言葉。
これは何を意味するのか……。
“1万人が死ぬ未来”を変えると“1000万人が死ぬ未来”となってしまうということだろう。
つまりは四季を含む1万人が亡くなる未来を変えようとすれば、別の1000万人の命が奪われるさらなる大惨事が起きるということ。なんというスケールの大きさだろうか……。
「四季を救う未来を作りたい兆vs1000万人が亡くなる未来を止めたい市松軍団」という構図は少年心をくすぐるSF展開の極み。
兆の下で世界を救っていると思っていた“ちょっとだけエスパー軍団(通称:bit5)"が真実を知った時、どんな動きをするのか今から楽しみだ。このように大体の構図は見えてきたが、まだまだ課題は残っている……。突如、登場した“白い男”こと“雪降らし指パッチン瞬間移動男”は一体何者なのか。

ここまで読んでくれた方の中で既にSFすぎてお腹いっぱいという方もいるだろう。ここまできたら、もう一踏ん張りしてほしい。
この白い男の正体は……「神」だ。(自分でも文章を打っていて笑けてきた)
しかし今できる予想だと、彼はまさに神的な立ち位置の可能性が高い。
その到底ちょっとだけでは収まりそうもない能力と見た目から、白い男はいわゆる特別枠的な扱いなのだろう。「未来のジャンクション(分岐点)を戻しにきた」という発言からも神目線と言える。白い男は兆の“新たな分岐点を作り未来を変える行為”を倫理的に止める役割なのだろう。
つまりはラスボスにあたる存在。
最後の敵は「神」なのだ。
ここまでお付き合いありがとう。
私が予想するに、後半戦のテーマは「愛する人を含む1万人の命と1000万人の命」どちらを優先するべきか苦渋の決断を迫られる展開となるだろう。
SFドラマだと軽い気持ちで見ていたら、痛い目に遭うかもしれない。
私は第5話を観て確信した。
このドラマはしっかりSFドラマであるが、そのテーマは“現代社会における倫理的なジレンマ”であると。
言い換えるなら「正義とは何か」
これからも一緒に「正義」について考えていきましょう。
••┈┈┈┈•• ドラマ情報 ••┈┈┈┈••
テレビ朝日『ちょっとだけエスパー』( 毎週火曜夜9時~)
出演:大泉洋、宮崎あおい、ディーンフジオカ、北村匠海、岡田将生 他
脚本:野木亜紀子
監督:村尾嘉昭、山内大典
エグゼクティブプロデュース:三輪祐見子
音楽:髙見優、信澤宣明
主題歌:こっちのけんと『わたくしごと』
著者:ペチ
イメージイラスト:サク

