ADHDは、不注意や衝動性などの症状によって日常生活に支障をきたす疾患です。ADHDは顔つきや外見ではなく、国際的に広く用いられている診断基準に基づいて、医師の診察によって診断されます。本記事では、ADHDの特徴と症状、診断基準や治療法を解説します。

監修医師:
前田 佳宏(医師)
島根大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科に入局後、東京警察病院、国立精神神経医療研究センター、都内クリニックにて薬物依存症、トラウマ、児童精神科の専門外来を経験。現在は和クリニック院長。愛着障害やトラウマケアを専門に講座や情報発信に努める。診療科目は精神神経科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経内科。 精神保健指定医、認定産業医の資格を有する。
ADHDの女性にみられる顔つきや外観上の特徴

ADHDの女性には特徴的な顔つきはありますか?
ADHDの女性には特徴的な顔つきはありません。ADHDは注意欠如多動症という発達障害(神経発達症)の一つです。顔つきや目鼻立ちといった身体的特徴とはまったく関係がありません。ADHDの診断は、行動の特性やそれによる日常生活での困難さなどを総合的に評価して行われるものであり、顔つきで判断することはできません。
顔つき以外の外見でADHDの女性を見分けることはできますか?
顔つき以外の外見でも、ADHDの女性を見分けることはできません。ADHDに特徴的な顔つきがないのと同様に、ADHDに外見上の特徴はありません。ADHDに関連付けた外見への言及は、根拠がありません。これは、ADHDの方への偏見や誤解を助長するおそれがあり、絶対にあってはなりません。
ADHDの女性によくみられる表情や仕草を教えてください
ADHDの女性によくみられる表情というものはありません。一方で、仕草にはADHDの特性が表れる可能性があります。例えば、手足を落ち着きなく絶えず動かす、などの行動です。ただし、ADHDは仕草で診断されるものではありません。
私はADHDかも?特徴や症状、困りごととは

ADHDとはどのような病気ですか?
ADHDは、注意欠如多動症と呼ばれる発達障害(神経発達症)の一つです。発達の水準からみて不相応な不注意や多動性・衝動性といった特性が、持続的に認められます。そのために日常生活に支障をきたしている状態を指します。適切な対処法や環境調整、薬物療法などの治療によって、困りごとの軽減が期待できる疾患です。
ADHDの特徴と症状を教えてください
ADHDの特性は、主に不注意と多動性・衝動性の2つに分類されます。ここでは、それぞれの特性が、どのような症状としてみられるかを解説します。
不注意の具体的な症状は、活動への集中が難しく、すぐに気が散ってしまい、課題を最後までやり遂げることが難しい、といったことが挙げられます。また、時間の管理や持ち物の整理整頓が苦手であるため、約束や提出期限を忘れたり、必要なものを頻繁になくしたりすることも少なくありません。さらに、細部に注意が向かず、仕事や学習でケアレスミスを繰り返すといった形で現れることもあります。
一方、多動性・衝動性の症状は、落ち着きや行動の抑制に関する困難さとして現れます。多動性は、じっとしていられない、座席を離れてしまう、といった症状がみられます。衝動性は、深く考えずに言葉を発したり、行動に移したりするなどの症状があります。結果を待つことが苦手で、順番を待てない、などもみられます。
ADHDの女性はどのようなことに困りやすいですか?
ADHDの女性は、多動性・衝動性の症状が現れにくいといわれています。落ち着きなく動き回る、などの症状が出にくい一方で、集中力の維持や時間管理、整理整頓などに苦労するケースがあります。また、精神疾患や身体疾患を合併する割合が多いといわれています。
参照:
『ADHD in Women: Symptoms, Diagnosis & Treatment』(Cleveland Clinic)
『成人の発達障害に合併する精神及び身体症状・疾患に関する研究』(厚生労働科学研究費補助金 障害者対策総合研究事業)

