漫画『味わいの京』は京都を舞台に、新人編集者である小園ひよりの目を通してグルメや文化、そして彼女の成長を描く作品。
今回は、京都で味わえる「たぬきうどん」について。全国で味わえるメニューだが、実は中身が地域によって異なる。京都ではどのようなものを味わえるのだろうか。






■寒い時期に味わいたい一杯















本作でひよりが食べていたうどんは「たぬきうどん」。ほかほかと温かく、おいしそうだが、絵を見て「待って!私の知ってるたぬきじゃない」と思った人もいたのでは?
ところ変われば品変わる。関東で「たぬき」と言えばさらりとした汁に揚げ玉がのったうどんを指す。一方、大阪では、そばに甘辛く煮た油揚げが入ったものを「たぬき」と呼ぶ。
そして京都では、刻んだ油揚げ(ココでは京都流に「おあげさん」と表現)と、九条ネギをうどんの上にのせ、おダシのしっかり効いたあんをかける。上にはたっぷりのおろしショウガ。一口食べればおあげさんにあんがしっかり絡み、ダシの旨味がじんわり広がってホッとするようなおいしさ。そして広がる九条ネギの上品な香り。これは長ネギでも、万能ネギでも出せない香りだ。冷めにくいあんとおろしショウガが体を温めくれるので、寒い時期におすすめの一杯。
そのほか、メニューにあった「けいらん」や「しっぽく」も京都ならではの味。名物だけじゃなく、何気ない店にこそ地元の人だけが知っている美味が隠れているかもしれない。知らない京都の味わい、探しに行ってみては?
ライター=鳴川和代
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