潮の満ち引きが釣果に影響する!
この日は「大潮」。お昼過ぎに満潮を迎え、夕方に駆けて大きく潮が引いていった。河口の波打ち際付近でも鮎が掛かる小川では、この潮の満ち引きも釣果に影響すると言われている。潮の動く時間に追いが立つのだそうだ。釣行の際は、ぜひ潮まわりもチェックしてみてほしい。他の河川にはない面白い発見があるかも知れない!
さてさて、海まで100mと言う深場のポイントでは、夕方になっても好調をキープしていた。「ザバーン、ザバーン」と波の音を聞きながらの鮎釣りだ。右岸ヘチは手前の流心にかけ深くなり、カケアガっている。壁となるヘチの石は良く磨かれていた。流心にも大きな石が点在し、そこに追いの強い鮎が溜まっていたのだろう。このポイントでは、友人たちが交互に竿を曲げた。大きく曲がる竿の先に広がる海。小川ならではの特別な光景であった。
1日を通して、今回の小川釣行で分かったことは、「数・型共に深場が良好!」「狙うは黒石!」そして何よりも「オトリの状態にはかなりシビア」であったこと。少しでも泳ぎが悪ければ、迷わず選手交代を!そして軽い小針を使うとバレが非常に多かった。バレが多発した場合には、少し重めでサイズアップした針を使うことで改善された。
素直な小川鮎を仲間たちと満喫!プチ大会も!
2日目。この日も快晴!だったのだが、お昼頃からあいにくの〝爆風予報〟とあって、午前中のみが勝負になりそうだ。さらに、せっかく仲間で集まったこともあり「プチ釣り大会」を開催することとなった。
2時間半勝負で、上位2名は30分の早掛け。「スタート!」の合図と共に、各々が一斉に好きなポイントを目指した。もちろん、一番人気は「下流の深場」!であったが、私は鮎は小さいものの確実に釣果をあげられるであろう上流のチャラ瀬を目指した。竿を出してからしばらくは自分の釣りに夢中になっていたが、周りを見渡すと下流深場に入った友人が早々に移動していた。どうやら前日とは鮎の付き場が変わってしまっているようだ。そんな中、私の下流右岸の瀬落ちを丁寧に泳がせていた友人が入れ掛かり状態に!実に良いペースだ。そのポイントは前日はあまり反応がよくなかった場所である…前日とは異なる付き場に皆、頭を悩ませた。
こうなったら足を使うしかない!とばかりに、あちこちに竿を入れていく。前日よりも早い時間に浅場に鮎たちが出ている印象だ。誰もここでは竿を出さないであろう〝極浅のポイント〟では背掛かり鮎もすっ飛んできた!ポツポツと拾い釣りであったがどのポイントでも素直な反応を見せてくれる小川鮎を大いに楽しむ時間となった。
そして「プチ釣り大会」は終了となったのだが、検量を行うと接戦!2時間半で上位2名は17尾、15尾となった。そんな中、相方は苦戦していたらしく、検量で曳舟の中から最後に出して来たのはなんと「石」!〝鮎は石を釣れ〟とはよく言ったもんだが、まさか本物の石を釣ってくるとは…釣果は伸びなかったようだが、しっかりみんなの笑いをとり爪痕を残してくれた(笑)。
そして最後は上位2名による早掛けが行われたのだが、仲間の中で鮎釣り歴が一番浅い友人が、瀬肩での丁寧な釣りを披露し優勝を掴んだのである!付き場の変わった状況でもしっかり川見ができた釣り人が釣果を伸ばした印象であった。
今回の釣行で釣り上げた鮎の中には白子、卵を持ったものも見られ、小川の鮎は少しずつ色付き始めていた印象だ。吹く風は夏の名残を残しつつも、日本海の鮎たちは命を繋ぐ季節へと着実に向かっている。
また来年!波打ち際の素直な鮎たちに会えることを楽しみに帰路へと着いた。

