没後40年、いま出会うシャガール──「花束」が語る愛と祈り【ギャルリーためなが】

花束が語るもの

本展の中心となっているのは、「花束」を描いた作品です。

花束はシャガールにとって、単なる装飾ではなく、愛・記憶・祈りの象徴でした。花の向こうに恋人たちや故郷の街並みが描かれ、人生の喜びも別れの痛みも、そして信仰も、すべてが花束とともに表現されています。

07_内観2会場のようす

スタッフの方はこう話していました。

「シャガールは、時代によって作風が劇的に変わるタイプではありません。長い人生の中で、経験を重ねるほどに“世界の見え方”が深まっていく。その一貫性こそが魅力なんです。」

たしかに、作品を見ていると“変化”というよりも、“成熟”という言葉がしっくりきます。

感じるための展示構成

展示はペン画から油彩までバリエーション豊かで、あえて年代順ではなく“自由”な構成になっています。

シャガールの作品は、人生とともに静かに深まり続けたため、時系列で追うよりも、感情の流れで見る方が自然。

作品と向き合いながら、自分のテンポで歩く──。理解するより、感じること。

会場はまさに、そんな体験のための空間になっています。なお、2階の物故作家コーナーにもシャガールの作品が展示されています。こちらもぜひ見逃さずにご覧ください。

配信元: イロハニアート

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