「尿蛋白が出やすい」で気をつけたい病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「尿蛋白が出やすい」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
糖尿病
糖尿病とは、インスリンの作用不足により慢性的な高血糖状態をきたす病気です。高血糖が持続すると血管が傷害され、さまざまな合併症がみられるようになります。この合併症のうちの1つが、糖尿病関連腎臓病です。糖尿病関連腎臓病を合併するようになると、まず微量アルブミン尿がみられるようになり、さらに進行すると蛋白尿が多く出るようになって、徐々に腎機能が低下するようになります。
現在、新規の透析導入患者のうち糖尿病が原因となり透析導入となる方が最も多くなっています。糖尿病関連腎臓病を予防するためにも、糖尿病の治療を早めに行いしっかりと血糖値のコントロールを続けるようにしましょう。
慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病(CKD)とは、蛋白尿や腎臓の形態異常もしくは、腎機能の低下(糸球体濾過量GFR60ml/min/1.73m2未満)が3か月以上持続している状態のことを言います。CKDは高齢者になるほど頻度が増えます。とくに、近年は糖尿病、高血圧、高尿酸血症などの生活習慣病が原因となるCKDの割合が多いです。生活習慣病は早期に治療を行い、血糖値や血圧、尿酸値などをしっかりとコントロールすることで発症を予防することが可能です。CKDは一旦進行すると、改善することは難しいため、早めに治療し、予防しましょう。
ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群とは、尿蛋白が多く漏れ出ることで血液中の蛋白濃度が低くなり、むくみやすくなっている状態です。診断基準としては尿蛋白量が1日3.5g以上が必須となっています。そのほかに低アルブミン血症(3.0g/dL以下)または、低蛋白血症(6.0g/dL以下)も第二の必須条件です。また、浮腫や脂質異常症が参考所見となります。
このネフローゼ症候群は糸球体腎炎や糖尿病関連腎臓病などさまざまな病気が原因でおこります。ネフローゼ症候群となった場合の治療は、原疾患により異なるため、尿蛋白やむくみがみられる場合、早急に腎臓内科を受診しましょう。
膠原病
膠原病は、免疫システムの異常が起こり、自分の体を攻撃するようになってしまった状態です。自己免疫疾患とも呼ばれることもあります。代表的な病気としては、関節リウマチや全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群などが挙げられます。
膠原病の症状は、それぞれの病気により異なるため、特徴的なものはありません。しかし、原因不明の発熱が持続したり、倦怠感が持続したり、体重が減少するなどの症状が膠原病でみられることが多いです。
膠原病の中には腎臓にも炎症を起こし、尿蛋白がみられる場合もあります。また、そのほかにもさまざまな臓器に障害がみられることも多いです。
膠原病を疑ったら、早めに治療を始めることで臓器の障害の進行を防ぐことができます。専門は膠原病内科です。早めに受診するようにしましょう。
腎硬化症
腎硬化症とは、高血圧を原因とする腎障害のことを指します。腎臓の血管に動脈硬化が起こり、糸球体などが障害され腎機能が徐々に低下するようになります。高齢者での透析導入は腎硬化症が原因の慢性腎不全であることが多いです。腎硬化症の進行を防ぐためにも、高血圧をコントロールし、減塩などの食事療法をすすめることが非常に大切です。高血圧の方では、かかりつけ医と相談ししっかりと血圧のコントロールを行いましょう。
「尿蛋白が出やすい人の食事」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「尿蛋白が出やすい人の食事」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
健診で尿蛋白が出たのですが食事の塩分がどのくらいまでなら腎臓に負担がかかりませんか?
伊藤 陽子(医師)
健診で尿蛋白が出た場合、まず尿蛋白が持続して出ているか確認をする必要があります。もし、尿蛋白が持続している場合には、腎臓に負担がかからないように1日当たり6g未満の塩分制限を行うことがすすめられます。
尿タンパクが陽性で血圧が高めの人はどんな食事を意識すべきですか?
伊藤 陽子(医師)
尿蛋白が陽性で、血圧が高い場合、まずは減塩食がすすめられます。1日当たりの塩分量を6g未満として食事療法を行いましょう。また、腎機能の低下もみられる場合には、蛋白制限が必要なこともあります。詳しくは主治医に確認をしましょう。
尿蛋白を改善する飲み物はありますか?
伊藤 陽子(医師)
残念ながら尿蛋白を改善する飲み物はありません。減塩をすすめて食事療法を行いましょう。尿蛋白を悪化させる飲み物として、たんぱくを過剰に摂取するプロテイン飲料が挙げられます。蛋白制限が必要なくとも、たんぱくの過剰摂取は勧められません。蛋白尿が出ている方では、プロテインの摂取は避けましょう。

