森山茜ら国内外の注目クリエイターが集結「FUJI TEXTILE WEEK 2025」で産地×デザインのコラボレーションを発表!11月22日から

FUJI TEXTILE WEEKFUJI TEXTILE WEEK 2023に展示されたRaw Color作品(2023) 撮影吉田周平

産地の未来を切り拓く「KYODO PROJECT」

FUJI TEXTILE WEEK4制作風景

FUJI TEXTILE WEEK5Raw Colorによる作品(2023) 撮影:吉田周平

FUJI TEXTILE WEEK7などやでの展示風景(2025)

FUJI TEXTILE WEEK8などやでの展示風景(2025)

KYODO PROJECTは、富士吉田市の織物産業を活性化させ、国際的なデザインシーンで存在感を示すことを目指して2023年に始動したプロジェクトです。山梨県および富士吉田市の補助事業として採択されており、株式会社DOSOが中心となって運営しています。
富士吉田市は1000年以上続く織物産地でありながら、長年OEMという立場にあったため、その名前を世に出すことができずにいました。本プロジェクトは、地元の豊かな伝統を守りつつ産業を持続可能なものにし、卓越した技術力を世界へ発信することを使命としています。
これまでの活動では、オランダのデザインスタジオRaw Colorや、STUDIO MAE ENGELGEERを招聘し、地元機屋とのコラボレーション生地を制作。2024年度にはEXPO2025大阪・関西万博のオランダ館でも展示されるなど、着実に国際的な注目を集めています。

2025年度の注目コラボレーション5選

今年度は多様な分野で活躍する5組のクリエイターと地元機屋が連携し、革新的な作品を生み出しました。FUJI TEXTILE WEEK 2025期間中は、カフェギャラリー「FabCafe Fuji」と「旧山叶(総合案内所)」を会場に、これらの成果が展示されます。

【1】森山 茜 × 舟久保織物

FUJI TEXTILE WEEK9森山 茜

FUJI TEXTILE WEEK16 舟久保織物

国内外で活躍するテキスタイル作家・森山茜が、大正13年創業の舟久保織物とコラボレーション。大型のカーテン作品を制作し、インテリアや空間演出における織物の新たな可能性を提案します。
京都で建築を、スウェーデンでテキスタイルを学んだ森山は、現在ストックホルムを拠点に活動。第18回ヴェネツィア建築ビエンナーレに出品した「Textile Roof」など、住宅から屋外まで様々なスケールの作品を手がけています。
舟久保織物は、ぼかしたような柔らかな表現が美しい「ほぐし織」を得意とする機屋。3代目の舟久保勝は日本でも数少ないほぐし織の職人で、傘生地でこの技法を使い、染めから織りまでできる技術は希少です。

【2】ジュリエット・ベルトノー × MUTO Co.,Ltd.(武藤株式会社)

FUJI TEXTILE WEEK10ジュリエット・ベルトノー(Juliette Berthonneau)

FUJI TEXTILE WEEK17 MUTO Co.,Ltd. (武藤株式会社)

ジュリエットは2024年に株式会社DOSOが運営する「Saruya Artist Residency」に滞在し、山梨県富士技術支援センターとともに立体的な生地制作を実施。2023年にはパリ市よりグランプリ・ドゥ・ラ・クレアシオン(デザイン部門・新進気鋭)を受賞した実力派です。
今年はフランス大使館、アンスティチュ・フランセ、公益財団法人笹川平和財団の支援を受け、武藤株式会社とのコラボレーション生地を制作。彼女が得意とする立体的な生地デザインは、音響や断熱の特性も備えており、今後様々な分野での活用が期待されています。

【3】Raw Color × 飛騨産業 × TENJIN-factory

FUJI TEXTILE WEEK11©️Raw Color

FUJI TEXTILE WEEK18飛騨産業

FUJI TEXTILE WEEK12 TENJIN-factory

オランダ・アイントホーフェンのデザインスタジオRaw Colorと、70年以上の歴史を持つTENJIN-factoryのコラボレーション生地を活用し、家具メーカーの飛騨産業株式会社と連携。織物と家具産業の横断的な連携を試みます。
今回は制作した生地を張地に採用した椅子を試験的に制作し、将来的には飛騨産業が商品化していくことを目指しています。創業1920年の飛騨産業は、「無用の長物」とされていたブナを活かした曲木家具づくりから始まり、節や杉の魅力を引き出した家具を世に送り出してきた名門です。

【4】シーチュー チー × Watanabe Textile

FUJI TEXTILE WEEK13シーチュー チー (ShiChu Chi)

FUJI TEXTILE WEEK19Watanabe Textile

ブランド「something in the air; s.i.t.a」を手がけるアーティスト、シーチュー チーとWatanabe Textileのコラボレーション。台湾と富士吉田、そしてアメリカを繋ぐ国際的な視点から、織物を媒介とした文化交流と価値の共有を図ります。
現在台北・陽明山を拠点に活動するシーチューは、アンティークのリネンやレース、麻、絹、綿などを世界各地で集め、最小限のカットや手縫い、天然染色を通して新たな命を吹き込むアーティスト。流行やシーズンにとらわれず、「布の持続性」「手仕事の営み」「身にまとう芸術」としてのかたちを探求しています。

【5】ヒダクマ × ツバメアーキテクツ × 複数の機屋

FUJI TEXTILE WEEK14 飛騨の森でクマは踊る

FUJI TEXTILE WEEK20 ツバメアーキテクツ

建築設計事務所のツバメアーキテクツと、飛騨の木材を活用した取り組みをしているヒダクマによる家具作品 "Wood Waste Micro Pub" が機屋とコラボレーション。織物産業と家具産業における素材活用の横断的な可能性を提案します。
FUJI TEXTILE WEEKの総合受付に使う什器や、会場内で使用される椅子など、彼らが制作してきた什器に産地の布を使う形でのコラボレーションが実現。有限会社田辺織物、TENJIN-factory、株式会社前田源商店、宮下織物株式会社、MUTO Co.'Ltdより生地が提供される予定です。

配信元: イロハニアート

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