「ペースメーカー」はどんな病気に罹患すると必要になるの?必要な人の特徴も医師が解説!

「ペースメーカー」はどんな病気に罹患すると必要になるの?必要な人の特徴も医師が解説!

ペースメーカーの費用

ペースメーカーの費用

保険適用の場合

日本では、公的医療保険の対象となります。費用に関しては以下の通りです。
・ペースメーカー本体とリード線:約100万円程度
・これに加えて:手術料、入院費
ただし、高額療養費制度を利用することで、自己負担額を減らすことができます。
高額療養費制度での自己負担上限額は、年齢や収入によって異なります。
一か月あたり約8~25万円程度が目安となります。

自費診療の場合

ペースメーカーを必要とする病気は保険が適用されるため、日本において自費でペースメーカーを植え込むケースはほとんどないと思われます。
万が一、自費で行う場合には、
・本体代
・リード線代
・手術料
・入院費
・術後管理費用
など、これらすべてが自己負担となり、総額で150〜200万円以上になることも十分考えられます。

どんな病気に罹患するとペースメーカーが必要になる?

どんな病気に罹患するとペースメーカーが必要になる?

洞不全症候群

心臓の中にある「洞結節(生理的なペースメーカー)」という場所の働きが弱くなる病気です。脈が遅くなることで、脳への血流が少なくなり、めまい・ふらつき・失神などを起こします。
脈が遅くなることによる症状がある場合には、ペースメーカー治療が選択されます。
ただし、薬剤など一時的な原因によるものと診断された場合には、
・ペースメーカーを入れずに経過観察
・原因に対する治療
などで対応することもあります。

治療は循環器内科で行います。
心臓そのものの収縮力は保たれているため、通常、補助人工心臓が必要となることはないと考えられます。

房室ブロック

心房から心室へ伝わる電気信号が滞ってしまう病気です。
Ⅰ度〜Ⅲ度までの段階があり、Ⅲ度房室ブロック(完全房室ブロック)では、心房と心室の電気信号が完全に途絶えている状態です。
Ⅰ度房室ブロックでは症状が出ることはほとんどありませんが、Ⅱ度以上に進行すると、洞不全症候群と同じように、
・めまい
・ふらつき
・失神
を起こすことがあります。

また、脈が遅い状態が長く続くと心不全を発症し、
・息切れ
・むくみ
などの症状が出ることがあります。

治療は循環器内科で行います。
脈が遅いことによる症状がある場合には、ペースメーカー植え込み術を行います。
また、心機能が低下し、心不全の状態が重症である場合には、補助人工心臓が必要になる可能性も考えられます。

2枝および3枝ブロック

心臓内の電気信号は、洞結節 → 心房 → 房室結節 → His(ヒス)束 → 心室という順番で伝わっていきます。
His(ヒス)束から心室に伝わる電気信号は2本(右脚、左脚)に分かれており、さらに左脚は2本(前枝、後枝)に分かれます。
つまり、心室へ行く通り道は、
・右心室へ向かう1本(右脚)
・左心室へ向かう2本(左脚前枝、左脚後枝)
の合計3本があります。
この3本のうち
・2本が障害されていれば「2枝ブロック」
・3本とも障害されていれば「3枝ブロック」
と診断されます。
治療は循環器内科で行います。
通常、補助人工心臓が必要となることはありません。

徐脈性心房細動

心房細動は心房が細かく震えるようになり、脈が常に乱れる病気です。
一般的には脈が速くなることが多いのですが、心房から心室へ電気が伝わる経路に障害がある場合、逆に脈が遅くなることがあります。
心房細動でありながら、
・脈が遅い(例:1分間に50回未満など)
・そのため症状(めまい・失神など)がある
という場合に、ペースメーカーが植え込まれます。
治療は循環器内科で行います。
通常、補助人工心臓が必要となることはありません。

過敏性頸動脈洞症候群・反射性失神

過敏性頸動脈洞症候群(かびんせいけいどうみゃくどうしょうこうぐん)とは、
・首のところにある「頸動脈洞」という場所が、
・首をひねる、後ろに曲げるなどのちょっとした刺激で過剰に反応してしまい、
・脈拍や血圧が下がりすぎて失神してしまう
という病気です。

反射性失神とは、
・心臓自体の働きは保たれているのに、
・自律神経反射の影響で一時的に脈拍や血圧が下がり、
・脳血流が落ちて気を失う
タイプの失神です。

このように自律神経の影響による失神のため、通常はペースメーカーを植え込むことはありませんが、
・40歳以上で、
・徐脈を伴う失神を繰り返す場合
には、ペースメーカーの植え込みを行うことがあります。
治療は循環器内科で行います。
通常、補助人工心臓が必要となることはありません。

閉塞性肥大型心筋症

肥大型心筋症とは、左心室の筋肉が通常より厚くなりすぎる病気です。
そのなかで、
・左心室から全身へ血液を送り出す場所(左室流出路)が狭くなり、
・血液の出口がふさがれたような状態になる
タイプを閉塞性肥大型心筋症といいます。

ペースメーカーは通常、脈が足りない人に対して行う治療ですが、閉塞性肥大型心筋症では、ペースメーカーを使って心室の収縮のタイミングを調整することで、
・左室流出路の狭さを和らげる
ことが目的になります。
治療は循環器内科で行います。
通常、補助人工心臓が必要となることはありません。

配信元: Medical DOC

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