●女性が日本に帰国していたらどうなる?
報道によると、この女性が日本に帰国したかどうかは確認されていません。
まだ韓国にいる場合は、逮捕される可能性があります。一方、以前BTSのジンさんへの強制わいせつの疑いで問題となった日本人女性が逮捕されずに在宅起訴されたと報じられており、今回も同様に逮捕を伴わない手続きとなる可能性もあります。
すでに日本に帰国している場合はどうでしょうか。日本と韓国の間には犯罪人引渡条約があり、制度上は韓国が日本に対して引渡しを請求することは可能です。
この条約では、長期1年以上の拘禁刑に当たる犯罪が引渡しの対象とされており、住居侵入罪(3年以下の懲役)も形式的には該当します。また、日本国民であっても、この条約に基づき引き渡すことは法的には可能とされています(条約第6条第1項で裁量による引き渡しが可能)。
ただし、実際に引渡しが行われるには、韓国側からの正式な請求や日本国内での審査など、複雑な手続きが必要です。
住居侵入未遂という比較的軽い罪について、韓国側がそこまでの手続きを踏むかどうかは不透明ですし、日本側がこのような犯罪について引き渡しに応じるかどうかも分かりません。
現時点では捜査の初期段階であり、今後どのような処分になるかは韓国の捜査機関の判断次第です。逮捕を伴わない在宅での手続きとなる可能性も十分にあります。
監修:小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

