
秋雨前線が停滞し逃げ場無し…3連休を迎えようとする私たちは翻弄されていた。今回の遠征では、長良川郡上地区における今シーズン最後の大会に参加予定であったのだが、何度天気予報を確認しても雨マークの消えぬ日々…。「どうか竿は出せますように」と、祈るような想いで現地を目指した!
大会前日プラクティスは30cm高濁り無し!鮎の数は抜群!
道中、ゲリラ豪雨に見舞われながらもなんとか辿り着いた郡上エリア。車窓から見えたのは、すっかり黄金色になった田んぼ。季節の移ろいを感じる風景が広がっていた。川の状況は、と言えば多少の増水はあるものの濁りはなし。なんとか竿は出せそうだ。前情報では、小型の鮎が多いとのことだったが、2025年秋の長良川水系は果たして微笑んでくれるのだろうか?ちなみに、今回は〝長良川初釣行〟の友人も一緒だ。なんとか良い結果が出てほしいと祈るばかりである。
目的の場所に到着すると、翌日が大会ということもあり、全国各地から多くの鮎釣り師が集結していた。空はどんよりと今にも雨が落ちてきそうだが、思ったよりも気温は高めで、蒸し暑い程である。朝の時間帯をゆっくり過ごし9時過ぎにポイントを目指した。
前日の雨の影響もあるのだろう。水温が低く足下が冷える。しかし川底を見れば石色は抜群だ!目を凝らせば「ギラン!」と鮎の輝きも見られた。「小型が多いよ!」という前評判の割に、大型の姿もちらほら。
ここからは〝大会前日の下見釣行開始〟である。まずはオススメされた「名皿部橋下流」へ。左岸を目指した友人たちを横目に、私は右岸へ。右岸のヘチにも竿を出せるように立ち位置をとり、まずは流心手前の大きめの石周りから探っていく。足下からオトリを放ったと思えば、なんと秒でヒット!これは10cm程のおチビちゃんだったが、それをオトリにするとまたまたおチビちゃんが連発した。どうやら石裏の緩流帯には小型の鮎が溜まっているようだ。これではオトリが回らぬ!ということでさらに下流へと移動することにした。
目的のポイントでは対岸で友人が堰堤上の流れを攻めていた。しばらく眺めていると「グーン!」と友人の竿が大きく曲がる。良型鮎のお出ましだ!しかもその鮎をオトリとして放てば、良型鮎の入れ掛かり!初の長良川を存分に楽しんでいるようだ。
私も石の脇の流れのヨレを上飛ばしで丁寧に泳がせていくと「キターーー!」。さっきまでとはまったく異なるズッシリと重みのあるアタリ!タモに収まったのは香りの良い良型の鮎であった。ここからは循環が上手くいき、ポツポツと飽きない程度に掛かってくれた。
どうやら現状の長良川はポイントによりサイズのムラがあるようだ。意外にも流心の強い流れでは小型が多く、芯の脇や、水深の変化のある場所に良型が潜んでいるイメージ。サイズは大小混じり合うものの、噂通り、鮎の数はハンパないぞ!
大会当日は大雨だったが好釣果続出!
今日も今日とて雨。大会当日、会場のウインドパークには総勢120名の選手が集結した。上下流に分かれ前半2時間半の試合が行われ、その後エリアを交代して2時間半の試合が行われるルールだ。
私は上流からスタートしたが、入川順は後ろから2番目(笑)。クジ運悪し…。もうこうなりゃどこでも楽しんでやるぞ!とばかりに開き直り、前日に下見をした「名皿部橋下流」を目指す。しかし、そこにはすでに多くの選手の姿が…。ただ、大半の選手は左岸に向かっているようなので、私は橋を渡り、右岸側へ。
目的の場所にたどり着いて川を見渡せば、なんと先行者はわずか2名。これはラッキー!くじ運は悪かったものの、希望通りのポイントに釣り座を構えることができたのであった。そして間もなく、スタートとなる8時である。この頃になると、ますます空は暗くなり、長良川は濃い霧に包まれていった。仕掛けを張りながら川を観察していると、右岸ヘチに多くの跳ねが見られたので、まずは皆と逆を向いてヘチから探っていく。
足元からそっとオトリを放つ…すると、開始2秒で「ブルン!」とオトリに変化を感じた。竿をそっと上げると10cm程のチビ鮎ちゃんがHITした。デジャブ!?オトリとして使うか迷う程のサイズだったが、とりあえずひと流ししてみることに。すると、またしてもすぐさま鮎がヒットする。気持ちサイズアップしたがチビ鮎には変わりなかった。前日は、同じ場所でオトリごろの良い鮎が出たのだが、どうやら今日はチビ鮎の付き場となっているようだ。しかし今日は〝数勝負〟の大会だ!小さくても貴重な1尾である!

