大動脈解離になりやすい人の特徴
動脈硬化
コントロール不良な高血圧症や糖尿病、脂質異常症、喫煙などは動脈硬化を進行させて大動脈解離のリスクも増大させます。また、運動不足も大動脈の動脈硬化を進展させることが報告されており、大動脈解離のリスクを下げるためには血圧や脂質、血糖値などのリスク因子を定期的に確認して必要に応じて適切な治療・管理を続けることが大切です。
また、禁煙と適度な運動も予防には重要です。動脈硬化はその他心血管障害(心筋梗塞、脳梗塞)のリスクにもなるため、健康な状態を維持するためには健康的な食事・運動を意識して動脈硬化リスクに早めに対処することが大切です。
高齢者
大動脈解離の年間発症率はおおむね1万人に1人と過去に報告されていますが、ここ数年でも右肩上がりで増加しており、今後高齢化や動脈硬化リスクの増大に伴い患者数もさらに増える可能性が十分にあります。発症年齢のピークは男性70歳代、女性で80歳代であり、高齢者ほどリスクが高くなる傾向があります。若いうちから動脈硬化リスクをきちんと評価・治療を行うほか、適度な運動も続けることで発症を予防することにつながります。
遺伝・先天性要因
その他の大動脈解離のリスクとして、Marfan症候群やEhlaers-Danlos症候群など生まれつき組織が弱く解離を起こしやすいこともあります。家族歴が必ずしもあるわけではなく、大動脈基部の拡大などの検査所見から指摘されることもあります。もし指摘されたり家族歴がある場合には大動脈解離のリスクが高くなるため、外来受診の間隔を狭めて定期的に検査をしたり、リスク因子の管理をより厳格にするなどの対応が必要となることがあります。
また、先天性の心血管構造異常の中で最も多くみられる大動脈二尖弁(心臓の出口となる大動脈弁の弁尖が通常3枚のところ生まれつき2枚となっている)でも、大動脈基部の拡大や大動脈解離のリスクが増大するため、慎重なフォローが必要となります。
すぐに病院へ行くべき「大動脈解離の前兆」
ここまでは大動脈解離の前兆を紹介してきました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
突然胸や背中に激痛が出た場合や失神、脳梗塞や下肢麻痺を疑う症状が現れた場合は、救命救急センターへ
大動脈解離では前述したように多彩な症状が起こります。中でも突然発症の胸背部痛や原因不明の失神、脳梗塞や下肢麻痺を疑う症状が現れた場合には緊急で受診が必要です。救急科、循環器内科、心臓血管外科などの専門科を速やかに受診して精密検査を受けるようにしてください。
こういった症状の場合には1分1秒の遅れが予後に大きく関係します。すぐの受診が困難なら迷わず救急要請し、くれぐれも受診を後回しにしないように注意してください。
受診・予防の目安となる「大動脈解離の前兆」のセルフチェック法
・突然の胸痛、背中の痛みがある場合
・原因不明の失神を認めた場合
・脳梗塞による脳神経症状(うまく話せない、口角が下がり飲み物がこぼれる)や下肢麻痺などを認めた場合
・その他、多彩な症状が急性に発症した(他の疾患では説明がつかない)場合

