退職日にデータ消去する「時限プログラム」仕込む…日亜化学の元社員逮捕、どこから犯罪に?

退職日にデータ消去する「時限プログラム」仕込む…日亜化学の元社員逮捕、どこから犯罪に?

●「引継ぎの指示がなかった」は通用するのか

──報道では、元社員が「引継ぎの指示がなかったので不要と思った」と述べたとあります。

引継ぎの指示が実際にあったかどうかはわかりませんが、社用パソコンに入った重要なデータを消せば、業務に支障が生じることは通常、認識しているはずです。そのため、仮に引継ぎの指示がなかったとしても、犯罪が成立する可能性は高いと考えられます。

●バックアップがあっても犯罪は成立する

──会社によってはバックアップデータをとっています。今回のケースへの影響は?

バックアップがあってデータ復元が可能だったとしても、消去した時点で業務を妨害するおそれを生じさせたと評価されれば犯罪は成立します。ただし、バックアップの存在は、刑の重さを決める際に情状として考慮される余地があります。

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