男性育休推進、出産無償化でも子育ては「自己責任」? 夫婦の孤立を深める構造的な2つの社会課題

1. 深刻な「地域格差」:地方の6割は未取得

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男性育休取得率の地域差

男性育休の取得状況を地域別に分析した結果、都心部(東京都)と地方(東京都外)の間には、取得機会の明確な格差が存在します。

前述の厚労省の調査によると、4割が男性育休を取得しており、ちょうどその反対の数が取っていません。ただ、そこには地域差が顕著に現れました。

この背景には、育休を取得していない地方のパパたちから指摘された、構造的な「職場の壁」が横たわっていました。

中小企業・人員不足による困難:「従業員が10人くらいの会社では、長く休むと仕事が回らなくなる」という地方の中小企業の現状。
キャリアと収入への不安:「実際に取得した場合の不利益(収入が減る、出世コースから外れるなど)が大きい」という切実な懸念。
職場の同調圧力と文化の未成熟:「会社では育休をあまり温かい目で見てもらえない」「制度はあっても使いづらい」雰囲気。

2. 危機的な「育児状況の質の壁」:母親の56%が心身の不調を経験

妻が産後うつやそれに近い症状を経験する割合は56%に上り、育児の「状況の質」と夫婦の心身の健康が危機的な状況にあることが明らかになりました。

(1)パパ自身の心身への影響:
妻の不調時、パパの多くが「自分も精神的にこたえた(うつになった)」と感じたり、「疲労感など身体症状が酷かった」と回答しています。「夜泣きが一番精神的に辛い」「仕事終わりに帰ると子供達を風呂に入れて寝かしつけまで行っており、全く自分の時間が取れずに困憊している」といった肉体的・精神的疲労を自由記述で述べられていました。

(2)夫婦関係の悪化:
妻の情緒不安定により「会話が難しい時期があった」「いつもイライラしているようで、それをぶつけられたように感じた」、「大きなけんかが増えてしまった」といった夫婦間の摩擦が生じています。

(3)育休取得の「質」と期間の課題:
育休を取得したパパからも「もっと長く取りたい」「数日だけで何の意味があるのかわからない」という期間不足への不満や、育休明けの業務過多への不安が指摘されており、短期取得では根本的な課題解決に至らないことが示されています。

配信元: マイナビ子育て

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