【石川県珠洲市】能登半島震災の仮設拠点などを舞台に、奥能登の伝統的な農耕儀礼「あえのこと」を実施

田の神を祀る年間儀礼

柄振り祭の祭壇

「あえのこと」では、5月の田植え前に「柄振り祭」、

庭祭りの直会

5月の田植え後に「庭祭り」を2025年同プロジェクトで実施。9月の稲刈り後に行う「刈り上げ祭」は11月23日(日)に簡易的に実施予定。

神迎え(震災前/珠洲市/田中家)

12月5日(金)には「神迎え」(無形文化遺産登録されている部分)、2026年2月9日(月)には「神送り」(無形文化遺産登録されている部分)を実施予定だ。

プロジェクト実施の背景

時代技術の進化や生活様式の変化により、能登で「あえのこと」を行っている家庭はほとんどないとされている。また、能登半島震災により、珠洲で厳格な形式で「あえのこと」を行っていた田中家も執り行う場を失った。

「あえのこと」が持つ「自然への畏敬」と「感謝の心」は、口頭伝承という形で受け継がれてきたが、その民間儀礼の実践は、現代の多忙な生活の中で年々困難さを増している。

同プロジェクトはこの農耕儀礼を、単なる古いしきたりとしてではなく、「震災からの復興と、文化を未来へつなぐ希望の象徴」として位置付けている。

特に、全壊した母屋の隣りの納屋や、被災地でボランティア拠点となったインスタントハウスを舞台にすることで、「あえのこと」が場所や形式に依存せず、人々の心とともにあることを証明し、「現代社会で継承可能な新たな文化財保全モデル」を提示する。

かなざわざは、金沢大学の観光デザイン学科の学生2名とともに、珠洲に伝承される「あえのこと」の儀礼を研究。50年前の資料や、震災前まで儀礼を執り行っていた田中家への取材に基づき、儀礼の精神性を最優先した「短縮プロトコル」を確立した。

この新たな継承モデルを浦野さん、岡嶋さん両家に伝え、今回の「あえのこと」を実施する。

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