40代女性にとって男性の腰パンといえば、高校時代にクラスの男子たちが好んでいた腰パンスタイルを思い出しますよね。そうなんです、その男子高校生の腰パンスタイルが令和の今、返り咲いているというわけです。そもそもなぜ、若い世代は今、腰パンを好んでいるのか。今回は服装から読み解く! Z世代の腰パン流儀について解説したいと思います。
腰パンってダサい。なのにどうして流行るのか
正直なところ、腰パンって……ダサいですよね? 私たちの学生時代に腰パンをしていた男子高校生を思い出してみても、筆者は当時も今も変わらず「パンツが見えててだらしないなぁ」としか思いません。皆さんはどんな印象をお持ちですか?ファッショントレンドというのは、たとえそれがどんなに不思議なスタイルであっても、流行が加熱している間は「おしゃれ!」「かわいい!」という目線で見てしまうものです。しかし、腰パンに関してだけは不思議なもので、20年前の流行当時も今の再ブームも相変わらず「ダサいな……」という印象にしか映りません。
それなのに、時代を経てまた再び流行する。それはなぜなのでしょうか。
腰パンの起源は、米刑務所の囚人服?
そもそも腰パンの流行の起源については諸説ありますが、米刑務所の囚人服から来ているという説が有名です。囚人たちは凶器の所持や自殺を防止するため、ベルト着用が禁止されていました。そのため自然と囚人服がずり落ちて、腰パンスタイルというものになったといわれています。そんな反社会的な反骨精神から着想を得たヒップホップ系アーティストたちが腰パンスタイルを踏襲し、ストリートファッションとして昇華されはじめました。
90年代のヒップホップ・ストリートカルチャーブームから続々と増え始めた腰パンファッションは2000年代に入ると、その勢いが加熱しました。国内では当時、ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』『ごくせん』『野ブタ。をプロデュース』が話題となり、作中に登場するヤンキーやギャル系のメンズファッションが支持されていました。当時のメンズファッションといえば、とにかく襟足を長めに腰パンをはき、ワイルドかつ男の色気を感じさせるものがウケていたので、腰パンスタイルもルーズでかっこいいと人気に火がついたのでしょう。

