病院での動脈硬化の検査と診断

病院で行われる動脈硬化の検査の内容を教えてください
病院で行う動脈硬化の検査は下記のとおりです。
頸動脈超音波
足関節上腕血圧比(ABI)・CAVI検査
CTによる血管評価
血管造影検査
頸動脈超音波検査では、首の動脈を超音波で観察し、血管の壁の厚さやコレステロールの沈着であるプラークの有無を確認します。身体への負担が少ないため、早期の動脈硬化を調べる方法として広く用いられています。
ABI・CAVI検査もよく行われる方法です。ABI検査では手足の血圧を測定し、その比率を算出することで下肢動脈に狭窄や閉塞がないかを調べます。一方でCAVI検査は、血管の硬さを数値として客観的に評価できる検査です。年齢や血圧の影響を補正できる点に特徴があります。
さらに、CTを用いた検査では、心臓の血管を評価する冠動脈CTが代表的です。冠動脈CTでは心臓の血管に石灰化や狭窄が存在しないかを調べられるほか、冠動脈石灰化スコアを算出することで、動脈硬化の進行度を数値で把握し、リスク評価に役立てることができます。
より精密に血管の状態を確認したい場合には、血管造影検査が行われます。冠動脈造影や下肢血管造影といった方法があり、造影剤を用いてX線で血管を直接映し出すことで、狭窄や閉塞の有無を正確に確認することが可能です。ただし、この検査は侵襲性が高いため、通常は狭心症や下肢閉塞性動脈硬化症などが強く疑われるケースに限って行われます。
動脈硬化の診断基準を教えてください
動脈硬化は、複数の検査を組み合わせて血管の硬さ・狭さ・血流障害の程度を評価し、総合的に診断します。血管の硬さをみる基準としては、以下の検査があります。
脈波伝播速度
ABI
また、血管の狭さをみる基準は以下のとおりです。
頸動脈超音波
冠動脈CT
カテーテル検査
さらに、下肢や頸動脈、脳血管などの血流障害の度合いを考慮にいれることもあります。
動脈硬化の方がすぐに受診をした方がよい症状

動脈硬化が進行するとどのような病気になりますか?
動脈硬化が進むと、全身にさまざまな病気を引き起こします。
脳では、血管が詰まって脳の一部が壊死する脳梗塞が代表的です。脳梗塞は、麻痺や言語障害、さらには認知機能の低下といった重い後遺症を残すことがあります。その前触れとして一時的に脳の血流が途絶える一過性脳虚血発作(TIA)が起こることも少なくありません。また、細い血管の動脈硬化が慢性的に進むと血管性認知症を発症し、記憶力や判断力の低下につながります。
心臓では、冠動脈が狭くなることで労作時に胸の痛みを生じる狭心症、さらに血管が完全に詰まって心筋の一部が壊死する心筋梗塞が起こります。いずれも命に関わる重大な病気であり、放置すれば心臓のポンプ機能が低下して心不全を引き起こし、息切れやむくみといった慢性的な症状につながります。
足の血管が障害されると閉塞性動脈硬化症が起こり、歩くと足が痛む間欠性跛行が現れます。進行すると足の組織が壊死し、切断を余儀なくされることもあります。さらに、動脈の壁そのものが弱くなると大動脈瘤や大動脈解離が発症し、突然の破裂によって命を落とす危険もあります。
加えて、腎臓も動脈硬化の影響を受けやすい臓器の一つです。腎動脈が硬く狭くなる腎硬化症が進むと腎機能が低下し、慢性腎臓病から透析が必要になるケースもあります。
このように動脈硬化は、脳、心臓、腎臓、末梢血管といった全身に重大な病気をもたらし、ときには命に直結します。早期の段階で気付き、予防や治療につなげることが極めて重要です。
動脈硬化の人がすぐに病院に行った方がよい症状を教えてください
動脈硬化による合併症を放置すると命に関わることもあるため、以下のような症状があれば迷わず救急外来を受診してください。
脳に関連する症状(脳梗塞やTIAのサイン)
急に片方の手足や顔がしびれる、力が入らない
急に言葉が出にくい、ろれつが回らない、理解できない
視力が突然かすむ、片眼が見えにくい
急な強い頭痛やめまい、ふらつき
心臓に関連する症状(狭心症・心筋梗塞のサイン)
胸の痛みや圧迫感(数分以上続く、冷や汗・吐き気を伴う)
背中・肩・顎・左腕に広がる痛み
動いたときや安静時に突然出現する胸部不快感
息切れ、呼吸困難、極端な動悸
下肢血管に関連する症状(末梢動脈閉塞のサイン)
足が急に冷たくなる、蒼白になる
歩行時の強い足の痛み、安静時も持続する痛み
足先のしびれや感覚低下、傷が治らない
そのほかの危険な症状
意識がぼんやりする、突然倒れる
冷や汗を伴う吐き気や全身の強い倦怠感
急激な呼吸困難
このような血管の閉塞サインがあれば、早期治療が重要です。後回しにせず、すぐに病院を受診しましょう。

