サオリとの関係が一歩進んだと思っていたあすか。しかし、会う当日、サオリはわずかな荷物でわざわざコンビニへ立ち寄ることを要求する。結局何も変わっていない彼女の態度に、あすかの怒りが爆発。その結果、サオリから一方的に自分を正当化する長文LINEが送られ、二人の関係は決定的な亀裂を迎える。
きっとこれで親友も分かってくれるはず
ガソリン代の話をして、お互いに一歩進んだ関係になれたと、私は信じていた。それから月日は流れ、サオリと会う当日。私は彼女の家まで迎えに行く約束だった。
「そろそろそっちに向かうね。家まであと10分くらいかな」
信号待ちでLINEを送ると、サオリからすぐに返事が来た。
「了解だよ!ちょっとフリマアプリの荷物をコンビニから発送したいから、私を迎えに来てもらったら、車でコンビニまで行ってもらえない?」
彼女の家からコンビニまでは歩いて5分。私と会う前にできるはずなのに、なぜ車で?違和感が満載な要求だった。
「それなら、コンビニで待ち合わせにしようか。そっちの方が早いと思うし!」
私は精一杯、冷静を装い、遠回しに断りの言葉を伝えた。するとサオリはこう言った。
「うーん、荷物がちょっと重いんだよねえ。無理そうなら大丈夫~!」
そんなに大きい荷物、私がいなかったらどうする気だったんだろう。もしや、私がここに来る日を狙って発送しようとしてるのだろうか。そんな気がしてしまった。
何も伝わっていなかった親友
「わかった、じゃあ先に寄ってから行くね」
どれだけの荷物なのかちょっと気になりつつサオリの家に到着すると、彼女が手にしていたのは、ブーツ一足が入った小さな段ボール箱。正直、そこまで大きくて重いものではない。彼女が軽々と持っているのを見て、私は「どういう神経してるの?」と問い詰めたくなった。
ガソリン代の話をした時、わざわざ仕事中に電話までかけてきて謝ってくれたはずなのに、結局、彼女は全く変わっていなかった。コンビニでの用事を済ませ、車に戻ってきたサオリに対して、私はこらえきれず、不満を直接ぶつけてしまった。
「ねえ、こういう発送ってさ、私と会う前に済ませられなかった?車でこなきゃダメだったのかな」
私の言葉に、サオリは一瞬固まった。
「え、どうしたの?荷物が重いから車でお願いしただけじゃん。しかもさっき、無理ならいいって言ったよね」
場の雰囲気は一気に冷え込んだ。このできごとをきっかけに、私たちの関係は大きく揺らぎ始めた。

