2025年11月21日 神バッグを拝見|辛酸なめ子

2025年11月21日 神バッグを拝見|辛酸なめ子

部屋の快適さを復活させるために、ここ数ヶ月ほどずっと整理整頓や処分をしていますが、なかなか道のりは遠いです。今年中に部屋を整理することが(私だけでなく世の人全員にとって)、今後12年の運気に影響する、という話を聞いたことや、開運マスタの櫻庭先生に、とにかくものを処分した方がいい、12月に入ったらそんな時間はなくなる、とアドバイスされたことなどが、重い腰を上げるきっかけになりました。

 

またもう一つの理由が、マンション買い替えの諦めです。今まで、ものが増えたらちょっと広いところに引っ越せば良いし、引っ越しを機に大量にものを捨てられると思っていました。それがこの都内の不動産価格の高騰で今や新築マンションの平均は億越え。中古もかなり上がっています。23区だと約9000万円です。ニュースでマンション高騰特集をやっていて、見たら不動産業界の人が分単位でネットをチェックして良さそうな物件はすぐ抑えてしまうようで、素人では太刀打ちできません。

思い返せば二十数年前、最初に買った26平米のマンション(荒川区)はたしか600~700万円でした。駅から20分だったのでそんなに上がってないかと思いますが、やはり当時は底値だったのでしょう。マンション価格がこんなに上がってしまうと、もし今の物件を売っても次買えるところがありません。ということで、今の部屋の大量のものを片付けて、長く使い続けたいという思いです。おそらくこのまま都内は高止まりかゆっくり上昇が進み、不動産価格の二極化が進んでいくのでしょう。

でも、世の中には超高級マンションがいくつも買えるお金でバッグを買えてしまう人がいます。先日、表参道のALLUというエルメスのヴィンテージ中心のお店で、ジェーン・バーキン氏が使っていた「オリジナル・バーキン」の展示イベントがあって行ってきました。7月、サザビーズで14.7億円という世界最高額で落札された逸品です。展示については「ガジェット通信」にもレポートを書かせていただきましたが、バーキンは1981年に飛行機内でジェーン・バーキンがエルメスの社長と偶然隣り合わせになったことがきっかけで生まれた名作バッグ。世界で最も憧れられる「バッグの母」です。

国宝のようにガラスケースの中に鎮座しているオリジナルバーキン。
ジェーン・バーキンが荒っぽく使っても美しさを保っています。

この神バッグをさらに崇めたいと思ったのは、ジェーン・バーキンのホスピタリティを知ってから。エルメスはこのバッグにバーキンの名前をつけることで毎年高額の名前使用料を払っていたそうですが、なんとジェーン・バーキンはそのまま寄付! さらに10年ほど使用したあと、このバッグをチャリティオークションに出品し、その収益を慈善団体に寄付したそうです。そんな心の美しい人が使っていたバッグなので、きっととても良いオーラを放っています。

もし自分だったら……名前使用料「ありがとうございます。振込先はこちらです」オークションの収益「これでまた新しいバッグでも買おう」となると思います。

世界的なセレブとの魂レベルの格差を実感しました。収入格差よりこちらの方が重要です。

配信元: 幻冬舎plus

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