●晩婚化が「孫育て」に影響
一方で、子ども側からは「もっと手伝ってくれると思っていた」と戸惑う声もあります。
愛知県の40代男性は、子どもの頃、祖父母にディズニーランドや海外旅行へ連れて行ってもらった記憶があり、自分の親も当然、孫の面倒を見てくれるものだと思っていました。
しかし、親の反応は期待したものではなく、妻からも「甘えすぎ」と言われたといいます。
「第一子が34歳でしたので、晩婚というわけではありませんが、世代が進むごとに親も祖父母も高齢化していく」
男性はそう語り、晩婚化が祖父母の体力・年齢と絡み合い、支援のあり方を変えていることを痛感しているようです。
●「プロ並み」を求められ…深まる「孫ブルー」
関係性が良好ならまだいいものの、祖父母が一方的に「搾取されている」と感じるケースでは、深刻な「孫ブルー」が広がっています。
東京都の60代女性は、電車で1時間の距離に住む娘夫婦のサポートに奔走していますが、その要求レベルに疲弊しています。
「家事、掃除、シーツ交換、入浴のサポートが主な手伝い」「シーツと枕カバーの交換は、週1回程度なので、毎回私の仕事になっている」「家事育児能力は、プロのヘルパー並みの効率の良さを求められるので、素人の私たちは低い評価です」
洗濯物の持ち帰りや、泥だらけの靴洗いまで押し付けられ、感謝を感じられないようです。
「労働力として祖父母の協力有りき、という社会構造には賛同しかねます」
女性の限界は近いようです。
また、兵庫県の60代女性は、近くに住む長男夫婦について「息子は働きバチ、奥様は女王バチ」と皮肉交じりに記しました。


