腸脛靭帯炎の治療
腸脛靭帯炎の治療は、痛みや炎症の軽減、再発の予防を目的とした保存療法が行われます。外科的治療が必要になることはほとんどありません。
まず、症状が現れた初期段階では、安静にするよう指導されます。膝に負担をかける運動や活動を一時的に控え、炎症が自然に回復するのを待ちます。
そのうえで、アイシングや抗炎症薬の使用、ストレッチや筋力訓練によって、痛みや腫れの軽減と再発予防を行います。特に、運動後や痛みが強いときには、膝の外側をアイシングすることで炎症を抑えられます。
ストレッチや筋力訓練に関しては、専門家である理学療法士とともに、腸脛靭帯に負担をかけないよう、股関節や膝周辺の筋肉を強化するトレーニングや柔軟性を高めるリハビリテーションが推奨されます。適切なフォームや運動方法、シューズの考え方も身に付けられるため、腸脛靭帯炎の症状改善が期待できるでしょう。
重症の場合や、保守的な治療で効果が見られない場合には、手術が検討されることもあります。ただし、ほとんどのケースでは保存療法で改善可能です。
腸脛靭帯炎になりやすい人・予防の方法
腸脛靭帯炎は、習慣的にランニングやサイクリングなど、膝を繰り返し使うスポーツをする人がなりやすいです。さらに、ランニングフォームや姿勢が適切でない場合や筋力のバランスが悪い、柔軟性が不足している、O脚であるといった場合は、腸脛靭帯に余計な負担がかかりやすく、腸脛靭帯炎を引き起こしやすいと言えます。
予防方法としては、運動前・運動後のストレッチと筋力強化が効果的です。腸脛靭帯は骨盤から膝にかけて付いているため、膝関節周辺だけでなく、股関節周辺の柔軟性を高めるストレッチも大切です。
また、腸脛靭帯炎を引き起こす人の共通点としてお尻にある「中殿筋」と呼ばれる筋肉が弱いという報告があります。中殿筋は、股関節を外に開いたり回したりする動作で主に使われる筋肉で、中殿筋を中心に鍛えることで腸脛靭帯への負担を減らすことができます。
注意点として、トレーニング量を急激に増やさず、少しずつ負荷を増やしていくことが重要です。トレーニングの際には、ランニングシューズ選びや、正しいフォームも心がけ、腸脛靭帯炎の発症リスクを減らしましょう。
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参考文献
National Library of Medicine「Iliotibial Band Friction Syndrome」
筑波大学 陸上競技研究室「陸上競技の理論と実際」

