子どもにも「冬バテ」ってあるの?家庭でできるケアについてクリニック院長の中澤先生にお伺いしました

子どもにも「冬バテ」ってあるの?家庭でできるケアについてクリニック院長の中澤先生にお伺いしました

最近調子が悪そうだけど、子どもにも「冬バテ」ってあるの?どんなことに気を付けたらいい?そんな疑問について、今回はなかざわ腎泌尿器科クリニック院長、中澤佑介先生にお答えいただきました。

「冬バテ」とは?

「冬バテ」は病名ではありませんが、冬に生じる漠然とした心身の不調を指す言葉です。冬は気温の低下に加えて日照時間が短くなり、さらに屋外と屋内の寒暖差が大きくなる季節。これらが重なって、気分が落ち込む、だるい、よく眠れない/眠気が強い、食欲が増して甘いものや炭水化物を欲する、といった不調が起きやすくなります。同様の不調は子どもにも起こりうるため、保護者の方が冬の生活を整えてサポートすることが大切です。

原因のポイント(親子で気をつけたい3つ)

1)日照時間の減少
冬は日光を浴びる時間が減り、セロトニン(気分の安定や睡眠リズム、食欲の調整に関わる物質)の分泌が低下しやすくなります。その結果、気分の落ち込み・イライラ、睡眠トラブル、過食などが起こりやすくなります。日光不足はビタミンD不足にもつながり、骨・筋肉や免疫、気分との関連が指摘されています。

2)寒さ・寒暖差
体が冷えると血行が悪くなり冷えや肩こりが起きやすく、寝室が寒すぎるなど就寝時の環境が不適切だと睡眠の質が下がります。屋外と屋内の急な温度差は自律神経に負荷をかけ、だるさ・疲れやすさの一因になります。

3)食生活の偏り
年末年始などのイベントで高カロリー・高塩分・甘いものの摂り過ぎになりがち。栄養の偏りや、(大人では)飲酒増加に伴うビタミンB1不足は疲れやすさにつながります。

冬バテの主なサイン

精神面:気分が落ち込む、イライラしやすい
睡眠:朝起きづらい・日中の強い眠気、あるいは寝つけない/途中で目が覚める
食欲:甘いもの・炭水化物への欲求が増す、過食傾向
体の症状:だるさ、疲れやすさ、冷え、肩こり
※冬にうつ病のような症状が2シーズン以上繰り返す/症状が強い場合は医療機関へ相談を。

今日からできる家庭のケア(子どもにも応用OK)

○規則正しい生活と『朝の光』
起床時刻を一定にし、朝は必ず光を浴びるのが基本。外に出られない日は、カーテンを開ける・部屋を明るくするだけでもリズムが整い、セロトニン分泌やビタミンD産生を助けます。

○バランスの良い食事
主食・主菜・副菜・乳製品・果物を意識し、特にセロトニンの材料(トリプトファン)を含む大豆製品・乳製品、野菜などを取り入れましょう。年末年始の甘いもの・炭水化物の摂り過ぎには注意を。

○ストレッチや運動
軽い運動には気分を明るくしストレスを軽減する効果があり、血行促進で冷え対策にもつながります。親子での散歩や体操がおすすめです。

○入浴でリラックス
ぬるめのお湯に浸かると副交感神経が優位になり睡眠の質が向上します。就寝2〜3時間前の入浴が目安。熱すぎるお湯は交感神経を高ぶらせるため避けましょう。

○必要に応じた栄養補助
行事続きで食事が乱れがちな時は、サプリメントやビタミン剤で不足分を補う選択肢もあります(例:ビタミンB群など)。ただし自己判断での過量摂取は避け、特に子どもに使う際は年齢や用量の注意を確認し、迷う場合は医師・薬剤師へ相談を。

こんなときは受診を

◎強い気分の落ち込み・無気力が続く、学校・園生活に支障が出ている
◎睡眠障害(夜眠れない/日中に強い眠気が続く)が目立つ
◎過食が止まらない、短期間での体重変化が大きい
◎冬の不調が2シーズン以上繰り返す、または症状が強い

まとめ

冬バテは、日照不足・寒さ/寒暖差・食生活の乱れが重なって起きる冬特有のコンディション不良です。朝の光・生活リズム・バランス食・軽い運動・入浴という基本を家族で整え、必要時はサプリ等も活用。改善しない、繰り返す、症状が強い場合はためらわず医療機関へ相談してください。

参考:
アリナミン製薬「教えて先生」健康サイト:冬に生じる体の不調『冬バテ』とは-症状や対策・解消法を解説(監修:桒原晶子 先生)

なかざわ腎泌尿器科クリニック

執筆者

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中澤佑介

中澤佑介

なかざわ腎泌尿器科クリニック院長

[プロフィール]
【資格】金沢医科大学 医学博士、日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医、
2003年   京都府洛南高等学校 卒業
2012年   金沢医科大学 医学部医学科 卒業
2012年   金沢医科大学 氷見市民病院 初期臨床研修医
2014年   金沢医科大学 泌尿器科学 助教
2019年   金沢医科大学 大学院 博士課程修了
2021年   誠美会 池田クリニック(非常勤)
2021年   なかざわ腎泌尿器科クリニック 院長
2023年6月 JR金沢駅前にメンズヘルスクリニック(Gran Clinic)を開院。
2024年9月 JR金沢駅前に金沢駅前内科・糖尿病クリニックを開院。
※Gran Clinicは自由診療部門Granとして併設

患者さんに近い立場で専門的治療を提供したいという想いから、クリニックを開設。男性だでけなく、女性にも身近な泌尿器科クリニックを目指しています。

なかざわ腎泌尿器科クリニック

配信元: ママ広場

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