膵臓がんの初期症状とは?Medical DOC監修医が解説します。気になる痛みがある場合は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「膵臓がん」を発症すると「お腹にどんな痛み」を感じる?初期症状も医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)
佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。
「膵臓がん」とは?
膵臓は、胃の後ろの背中側にある細長い形をした臓器です。膵臓は、食べ物を消化する膵液の分泌や、血糖値を下げるインスリンの分泌をする役割を果たしています。
この膵臓にがんが発生したものが、膵臓がんです。膵臓がんの多くは膵管に発生し、ほとんどが腺がんと報告されています。膵臓がんは小さいうちから周囲のリンパ節や肝臓などに転移しやすく、おなかの中にがんが散らばる腹膜播種も起こしやすいです。初期では症状があまり見られず、膵臓がんが発見されたときには、すでに転移や腹膜播種など病状が進行していることも多いです。
膵臓がんの前兆となる初期症状
膵臓がんの発生部位により、初発症状は異なります。膵臓がんの78%が膵頭部に、22%が膵体尾部に発生します。膵頭部に膵臓がんが発生したほうが、吐き気などの消化器症状や黄疸症状をきたし早めに発見されることが多いです。
黄疸
膵頭部にがんが発生すると、がんが大きくなり、胆管に浸潤して胆管を閉塞します。胆管が閉塞すると、胆汁が排泄されなくなり、ビリルビンが上昇します。ビリルビンの上昇に伴い、皮膚や眼球が黄色となってしまいます。また、体のかゆみを伴うことも多いです。このように黄疸の症状がある場合には、膵臓がんも含め、肝臓や胆のうなどの消化器疾患の病気の可能性があります。早めに消化器内科を受診しましょう。
嘔気・嘔吐
胃や十二指腸の裏側に位置する膵頭部にがんができた場合、進行すると嘔気や嘔吐などの消化器症状がみられることもあります。これは、がんが大きくなり胃や十二指腸などの消化管に浸潤すると、食物の通り道が狭くなったり、閉塞してしまうためです。食べ物が通過できなくなり吐き気や嘔吐の症状がみられるようになります。
お腹のしこり
膵体部や尾部にがんができた場合、症状が出にくく、がんが大きくなって初めて気が付くことも少なくありません。そのため、がんができた部位のしこりとして気が付くこともあります。横になった時などに自分のおなかのしこりに気がついたら、膵臓がんの可能性もあります。消化器内科で相談をしましょう。
腹痛
膵がんが周囲の臓器に浸潤すると、腹痛が出現することもあります。腹痛だけでは、他の病気と区別はつきませんが、同じ場所の痛みが持続する場合には消化器内科で相談をしてみましょう。
背部痛
膵体部や尾部にがんが発生した場合、後方へがんが浸潤し、後腹膜へ到達すると痛みが出現することもあります。難治性の背部痛や腰痛が起こった場合、膵臓がんの可能性もあります。背部痛の原因について、整形外科や内科で相談をしてみましょう。

